フォールガイ(少しネタバレ)
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最終更新日:2024/10/13
ライアン・レイノルズ エミリー・ブラント, ライアン・レイノルズ
俳優トム・ライダーの代役として、危険なスタントをこなしてきたコルト。あるとき落下のスタントに失敗してしまい、心身共に傷ついてしまう。業界からも、そして恋人でディレクターのジョディからも姿を消し、ひっそりとレストランの駐車係をやっていた。
1年半後。プロデューサーのゲイルから、トム主演の新作映画を撮影しているシドニーに来るよう要請される。渋るコルトだったが、新作はジョディの初監督作品と知り、現地に向かう。ゲイルからはスタント復帰以外の依頼もあり、それは、現地で行方不明になったトムを探し出すことだった。
タイトルの「フォールガイ」は、スタントの業界で「高所からの落下」を意味するとのこと。また、「身代わり」「騙されやすいやつ」という隠語でもあるそうだ。トムはなぜ姿を消したのか、ゲイルはなぜコルトを呼んだのか。前半はさっぱりだが、中盤になってそれらはひとつにつながってくる。
コルトとジョディのやりとりが、とても面白い。そもそも両想いなのだが、お互いに相手の気持ちに気づかず、微妙な距離感にある。それが、撮影中の映画の内容に絡めての会話だったり、カーステで流す曲やカラオケで歌う曲にも掛かっていたりする。ジョディが、映画『カリブの熱い夜』の主題歌でフィル・コリンズの『Against All odds』を熱唱するシーンは必見だ。
映画ネタも、結構散りばめられている。トムの記憶力は『メメント』並みだとゲイルは言い、彼の部屋にはメモが書かれた付箋がベタベタ貼られている。コルトは『マイアミ・バイス』のジャンパーを着ていて、もしかするとまんまオマージュのシーンがあったのかもしれない。
コルトは、ライアン・レイノルズ。スタント役ながら、撮影では当然スタントとの併用はあったと思われ、それでも自ら体を張ったシーンは結構あったと思われる。ジョディは、エミリー・ブラント。ワタシが観てきた中では、性格強めの役柄が少なくないが、本作は業界にいなからピュアさを保つキャラクターを演じている。
トムはアーロン・テイラー=ジョンソンで、やらかしているダメ俳優ぶりは、共感の得にくい、かなり損な役どころだ。ゲイルは、ハンナ・ワディンガムという人だった。
監督はデヴィッド・リーチで、もとはスタント出身の人。『ジョン・ウィック』シリーズの製作に携わり、『デッドプール2』などで監督を務めている。エンドロールでは、画面右半分にクレジット、左半分にアクションシーンの撮影映像が流れ、カースタントや爆破シーンなどの裏側が伺える。
あと、ほぼラストにDCエクステンデッド・ユニバースのあるヒーローを演じた人が本人役でカメオ出演している。
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