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デッドプール&ウルヴァリン(結構ネタバレ)

デッドプール&ウルヴァリン

ヒーローを引退し、中古車セールスマンとして働くウェイドは、誕生日に時間変異取締局(TVA)に連れ去られてしまう。TVAエージェントのパラドックスから、ウェイドが暮らす時間軸は、主要な存在「アンカー」だったローガン/ウルヴァリンの死によって、緩やかな滅亡に向かっていることを知る。

ウェイドはマルチバースでさまざまなローガンを探し、最終的にバーで泥酔しているローガンを連れてくる。がしかし、パラドックスはふたりに取り合わないばかりか、ふたりを「虚無の世界」に飛ばしてしまう。パラドックスは、TVA上層部には秘密裏に、時間軸そのものを破壊できるタイム・リッパーを開発していた。

デッドプール』としてはシリーズ3作目になるが、今回は大きく4つの点でスケールが拡大した。

ひとつめは、タイトルからしてモロバレだが、ローガン/ウルヴァリンとの邂逅だ。常におしゃべりなウェイドとまじめなローガンとは水と油で、中盤までふたりはしょっちゅうぶつかっていた。しかし、徐々に互いの事情を理解し、運命共同体でもあるため、後半では協力していく。

2つめは、マルチバースの導入だ。ヒーローものでは、MCUやDCエクステンデッド・ユニバースでも導入しているので、流れといえば流れになる。本作では、ローガンが小人だったり、だったり(実際に本人が演じている)と、おもしろおかしくやっている。後半には、さまざまな世界のデッドプールが多数集結する。

3つめは、MCUとのクロスオーバーだ。序盤、ウェイドはアベンジャーズの入隊面接を受けるが、面接官のホーガンにダメ出しされて不合格になる。虚無の世界を支配するカサンドラの要塞の外観は、巨大なアントマンスーツがアーチ状になっていた。また、終盤で虚無の世界からウェイドの時間軸に戻る際、あのヒーローの魔道具が使われていた。

そして4つめは、20世紀フォックス作品とのクロスオーバーだ。個人的に『X-MEN』『ファンタスティック・フォー』はまるごと観ていないので、正直ピンと来ていなかった。カサンドラは、『X-MEN』のキャラと関連があったらしい。虚無の世界に飛ばされていたヒーローには、『デアデビル』のエレクトラ、『ブレイド』のブレイド、『ファンタスティック・フォー』のジョニー。観てすぐわかったのは、ブレイドだけだった(汗)。

このシリーズではおなじみだが、デッドプールがスクリーン越しに客に向かって話しかけたり、崩れた20世紀フォックスのエンブレムが虚無の世界の砂漠に半分埋まっていたりと、楽屋オチのネタは今回も健在。デッドプールの下ネタ全開ぶりや、殺害の描写のエグさも相変わらずだ。

キャストは、ウェイドに。主演だけでなく、このシリーズでは製作や脚本にも携わっていることをテレビのインタビューで知った。ローガンは、。上半身がビルドアップされすぎていて、CG加工もされているのではと思ってしまう。

カサンドラはエマ・コリンという人、パラドックスはマシュー・マクファディンという人。ブレイドはウェズリー・スナイプス、ジョニーはと、結構豪華。前作から登場しているユキオは忽那汐里だが、出番はほんのわずかだった。

ミッドクレジットでは『X-MEN』シリーズの場面やメイキング映像などが流れ、ポストクレジットはなし。つまり、『アベンジャーズ』へのリンクは明示されず、また『デッドプール』としての続編もあるようなないような、という終わり方だった。

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