裸のランチ(映画・1991年)
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最終更新日:2024/08/02
デヴィッド・クローネンバーグ
作家志望で、害虫駆除の仕事をしているビル。妻ジョーンは駆除薬を麻薬として使い、中毒者になっていた。ビルはベンウェイという医師から処方されたブラック・ミートを自身とジョーンに打つと、『ウィリアム・テル』ごっこと称して誤ってジョーンを射殺してしまう。
自宅を飛び出したビルは、バーでマグワンプという魚のような怪物に出会う。ビルがジョーンを殺したことを知っているマグワンプは、報告書を書くことを条件にビルをインターゾーンに向かわせる。ビルは街中でジョーンに似た女性を見かけ、彼女はトムの妻で名前が同じジョーンだとわかる。
ウィリアム・バロウズの原作をデヴィッド・クローネンバーグ監督で映画化。ワタシは原作未読で本作を観たが、どうやら原作色は少なく、アイディアネタとしたクローネンバーグのオリジナルらしい。『ウィリアム・テル』ごっこで妻を誤射するエピソードは、バロウズ自身の実体験でもあるようだ。
ことばを話す巨大なゴキブリが登場しては、ビルに命令を出す。ビルが報告書作成に使うタイプライターは、巨大なゴキブリに変貌。前述のマグワンプをはじめ、異形の生物が登場して、『ビデオドローム』『ザ・フライ』のクローネンバーグだなと思わされる。これらはCGではなく人力による造形で、その気持ち悪さは個人的にはギリギリなんとか視聴できる。
これらはビルだけが認識することができていて、なので恐らくビルはずっと中毒者なのだろう。インターゾーンは非現実の世界かと思いきや、そうでもないらしい。
キャストは、ビルにピーター・ウェラー。時期的には『ロボコップ』シリーズに出演している頃になる。ジョーンとジョーンはジュディ・デイヴィスという人による一人二役。トムはイアン・ホルム(『エイリアン』のアッシュ)、ベンウェイはなんとロイ・シャイダーだった。
もしかすると裏テーマ、裏メッセージが潜んでいるのかもしれないが、個人的には理解不能の世界観だった。興行や評価とは、別のところにある作品なのだと思う。
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