オペラ座の怪人(2004年)
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最終更新日:2024/10/15
サスペンス ジェラルド・バトラー, ジョエル・シュマッカー, パリ
1870年のパリ、オペラ座。演目のリハーサル中に、専属歌手カルロッタの頭上に背景画が落ちてしまう。気分を害したカルロッタは立ち去ってしまい、ダンサーのひとりクリスティーヌが代役を務めることに。その夜の舞台は成功し、新たな支配人でクリスティーヌの幼馴染のラウルは、彼女をディナーに誘う。
しかし、部屋に閉じ込められたクリスティーヌは、オペラ座の怪人が住む地下の隠れ家へと誘導される。怪人は彼女にとっての師「音楽の天使」でもあり、怪人は彼女に愛を告白する。彼女をオペラ座に返した怪人は、マネージャーやカルロッタたちに手紙を送る。演目の主人公にクリスティーヌを起用しなければ、恐ろしいことが起こるというメッセージだった。
もとは小説だが、作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーによるミュージカルを映画化したという見方が正しいようだ。ロイド・ウェバーによるあまりにも象徴的なテーマ曲は、作品とは別のところで何度も耳にしていたが、本作の中では怪人が登場するシーンに合わせて流れることがわかった。
約7割くらいはミュージカルで、音楽に乗せた歌詞によって、キャラクターたちは相手に呼びかけたり、心情を吐露したりしている。怪人にせよクリスティーヌにせよ、歌は吹き替えではなく、役者本人が歌っているようだ。
怪人は、ジェラルド・バトラー。肉体派の役柄が多いイメージだが、本作では顔半分を仮面で隠し、かなり屈折してはいるがオペラをはじめ芸術や美への愛情や執念が入り混じる複雑な心持ちを演じていて、この人の代表作になっていると思う。
クリスティーヌは、エミー・ロッサムという人。ルックスの良さといい、細身でしなやかな身のこなしといい、そして歌声といい、ヒロインにぴったりだ。役者としてもっと売れていいはずの人だが、あまり名前が聞かれないのが不思議。調べたら、『スノー・ロワイヤル』の刑事役もしていた。
ラウルはパトリック・ウィルソンで、近年は『アクアマン』での主人公アーサーの弟オーム役で見かけている。怪人の秘密を知り、カルロッタの代役にクリスティーヌを推薦したマダム・ジリーは、『ハリー・ポッター』シリーズにリータ役で出演しているミランダ・リチャードソンだった。
監督は、ジョエル・シュマッカー。脚本は、シュマッカーとロイド・ウェーバーの共同になる。制作は、90年代に一度着手するも頓挫。しかし、2002年に再開して公開にこぎつけたとのこと。ふたりをはじめ、スタッフ陣の作品に賭ける執念が感じられる。
原題は「The Phantom of the Opera」で、「ファントム」は「亡霊」「幻」の意味だ。ただ、彼は死人でも幽霊でもない、悲しい運命にさらされた人間なので、「怪人」としたのは正しいと思う。
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