最後の猿の惑星(1973年)
人類と猿との争いは核戦争に発展し、生き残った社会では猿がイニシアチブを握った。21世紀、リーダーのシーザーは人類との共存を模索するが、急進派であるゴリラのリーダー、アルドーは人類の支配を主張する。放射能に汚染され、ミュータントと化した人間が生存しており、ミュータントは猿の社会をせん滅せんとする。
人間が猿にことばを教え、前作で州知事の側近だった黒人マクドナルドが、シーザーを支える側近となっている。前作では感情をむき出しにして人間を敵視していたシーザーだが(人間の猿に対する扱いからすればやむなしなのだが)、ここでは家族を持ちリーダーとしての責任感を背負っていることもあってか、知的で沈着冷静な性格になっている。
猿や人間の居住区は屋外となり、また禁断の地区に核戦争前の痕跡やミュータントがいたことなど、1作目『猿の惑星』との関連を感じさせる。ではあるが、作品が進む毎に規模が縮小していった感は否めない。ラストも非常に地味で、5作やって最後がこれかと思うと、かなりきつい。ただ、5作中唯一のハッピーエンドになっているのが救いだろうか。
2作目で未来の地球が爆発してしまい、その直前に脱出したコーネリアスとジーラが過去の地球に行ったことで、テイラーらが不時着した未来の地球とは別の時間軸になった・・・のではと思う。
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