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鳥山明さん死去

公開日: : 最終更新日:2024/03/09 追悼

Dr.スランプ 1

漫画家の鳥山明さんが、3月1日に亡くなられた。死因は急性硬膜下血腫で、68歳だった。今日の昼くらいに、事務所や集英社から発表があった。

代表作『ドラゴンボール』は、世代だけでなく国境を越えて世界中で愛された。アニメ版の主題歌を歌う影山ヒロノブが海外公演をおこない、世界各地で5,000人以上の観客が「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を合唱しているさまをテレビで観て、尋常ではないムーヴメントが起こっていると感じたことがあった。やはり世界中に浸透したゲームソフト『ドラゴンクエスト』の、キャラクターデザインも担当されていた。

個人的には、『ドラゴンボール』以上に『Dr.スランプ』の方が思い入れが強い。

はじめて購入した少年ジャンプは、1980年5・6合併号だった。週刊誌の賞味期限は1週間だと思っていて、それまでは友人に見せてもらったり書店で立ち読みしたりしていた。それが意を決して購入したのは、ボクシングマンガ『リングにかけろ』の日本Jr.とギリシャJr.による決勝戦目当てだった。

その合併号に、『Dr.スランプ』が新連載で掲載されていた。しかも、2話連続という異例のスタイルでだった。ポップなタッチの絵、ペンギン村のほのぼのした空気感、アラレちゃんをはじめとするキャラクターたちなどに、それまで観たことのない不思議な感覚を覚えた。その後アニメ化され、人気は不動になった。

知人と、アニメ史上最強のロボットはどれか?という話をしたことがあった。結論は、惑星をもぶった切るイデオソードを備えるイデオンと、何回か地球を割っているアラレちゃんの2強というところに着地した。

マンガ執筆の裏側を知ったのも、『Dr.スランプ』がはじめてだと思う。鳥嶋和彦とのやりとりをそれとなく組み込んでいて、マンガ家と編集者の関係性を知った。今ではマンガの範囲を越えて当たり前のように使われている「ボツ」(描いた作品がダメ出しされ採用されなかったこと)という表現を知ったのも、この作品でだと思う。

中学時代、現国の先生が夏休み中に娘さんから借りて読んだ『Dr.スランプ』が面白かったと言っていて、驚いた記憶がある。当時、まだまだマンガは子供が読むものという雰囲気があったし、大人だけでなく下手をすれば同級生からも、お前いつまでマンガ読んでるんだと言われる状況だったからだ。

ワタシが読んできたマンガはほんの一部だと思うが、その中で最も絵が上手いマンガ家はふたりだと思っている。ひとりは、劇画タッチの池上遼一。そしてもうひとりが、ポップなタッチの鳥山明さんだ。急死に近い亡くなり方と思われ、残念だ。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

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