バンクシー 抗うものたちのアート革命(2020年)
神出鬼没の覆面グラフィティアーティスト、バンクシー。街中の建物の壁や道路標識など公的な場所にゲリラ的に絵を描き、そのテーマは、消費主義などへの社会批判や反戦などのメッセージが込められているものが大半だ。バンクシーのドキュメンタリー映画を観た。
英国のブリストル出身とされ、若い頃は境遇を同じくするアーティストたちのコミュニティに属していたという。2005年には、MoMAやメトロポリタン美術館、テート・ブリテン、大英博物館などに侵入し、無許可で作品を陳列。取り付ける様子が撮影もされている(ただ、これもフェイクの可能性があると思う)。
バンクシーが登場する背景として、英国の政情の変遷とサブカルチャーとのつながりも取り上げられている。90年代にサッチャー政権から労働党政権に代わり、ブラウン首相にオアシスのノエル・ギャラガーが謁見する映像も流れた。ブリストル出自ということで、マッシヴ・アタックの活動が一時期マークされていたそうだ。
美術評論家やバンクシーの協力者のアーティストなどが、コメントを寄せている。特に協力者の人が興味深く、バンクシー本人を知るだけでなく、行動を共にしているはずだ。何もかもバンクシーひとりだけで成し遂げられるはずはないので、チームバンクシーの一端を垣間見ることができた気がする。
冒頭、2018年のサザビーズのオークションで『少女と風船』が落札され、その直後にシュレッダーされる映像が流れる。ラストにもこの映像が流れ、締めくくられる。
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