マネスキン(Måneskin)『Rush!(初回生産限定盤)』
破竹の勢いで世界を席巻し、昨年8月にはサマソニ2022で初来日も果たしたマネスキン。今年1月に、3枚目のアルバム『Rush!』をリリースした。
全17曲のヴォリュームながら(日本盤はボーナストラックが追加され全18曲)、17曲が2分台から3分台だ。最も長い『The Loneliest』でも4分9秒と、コンパクトにまとまっている。そして、ほとんどの曲が疾走感に溢れ、シングルカットできそうなポップなメロディーをベースにしている。
『Gossip』にはトム・モレロがギター参加していて、間奏でのソロは間違いなくこの人。聴いていてニヤニヤしてしまう。スローな『Timezone』『If Not For You』は、まるで70年代ハードロックバンドのバラードのようで、王道をはずしていない。終盤には『Mammamia』『Supermodel』『The Loneliest』でギアを上げて一気にスパートする感があり、気持ちのいいことと言ったらない。
ブックレットを読んだ。作詞作曲はマネスキン名義になっていて、4人でアイディアを出し合って作っていると思われる。レコーディングは、イタリアのほかはロサンゼルスでされた模様。ツアー中であるにも関わらず、アルバム1枚をつくれてしまうのは、勢いでなんでもできる奇跡的な状態にあるからに違いない。
表ジャケットは、寝そべった4人の上をスカートを履いた女性がジャンプしているショット。裏ジャケはスカートの中、そしてディスクには女性のビキニパンツがプリントされていて、なかなか挑戦的だ。国によっては発売禁止になってしまうのでは、という心配もしたくなるが、ストリーミングが主流のご時世だからこそ、CDではこうしたアートに行けるのかもしれない。
日本限定盤には、サマソニの後に豊洲PITでおこなわれた単独公演を収録した音源が、ボーナスディスクとして追加されている。個人的にはサマソニのマリンステージで彼らのライヴを観たが、3,000人オールスタンディングのライヴハウスでのパフォーマンスは、バンドもオーディエンスもより熱気に溢れ、生々しさが伝わってくる。先にシングルカットされた『Supermodel』のほか、『Mammamia』『Touch Me』も、既に演奏されている。ダミアーノの日本語を交えたMCも、しっかりと入っている。
ブックレットは2種類入っていて、標準のほか、来日時に撮影されたときの写真集になっている。ステージパフォーマンスだけでなく、街中やカラオケボックスなどでのショットもある。確かに、彼らは結構長く日本に滞在していて、メディアに出演したり、オフを楽しむ様子がSNSに公開されたりしていた。それが記録となってリリースされたのは、とても嬉しい。
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