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攻殻機動隊S. A. C. 2nd GIG Individual Eleven

公開日: : 最終更新日:2023/11/22 作品

攻殻機動隊S. A. C. 2nd GIG Individual Eleven

全26話で放送された『攻殻機動隊Stand Alone Complex』の好評を受け、続編が制作された。「2nd GIG」と題され、同じく26話で放送。公安9課再編から始まり、1話完結の事件と並行して「個別の11人」事件を追っている。この事件に絞って再編集された総集編が「Individual Eleven」だ。

再編集のアプローチは、「The Laughing Man」以上に大胆になっている。発端は革命評論家パトリック・シルベストル(三島由紀夫がモデル)の著書を読んだ革命家たちが「個別の11人」ウィルスに感染してテロを起こしたことだが、ここではさらっと流されている。ウィルスから脱したクゼをクローズアップし、軍人時代に目にしたもの、難民のリーダーとなって出島独立を決行するさまに重きを置いている。

素子はクゼに接した辺りから徐々に様子がおかしくなり、バトーはそれを察知する。クゼも素子もほぼ全身義体だが、幼少時にリハビリ施設と隣合わせになっている。本編では、素子に接した男の子がクゼとは断定せず匂わせていただけだった。しかしこの総集編では、出島に向かう直前のバトーとの会話で、素子はその子がクゼと断定している(本編にはこのシーンはなかったと思うが、記憶ちがいかなあ)。

独立を志す出島の難民、出島を包囲する自衛隊、近海の潜水艦から核攻撃を仕掛けんとする米帝、と、ひとつまちがえば核戦争にもなりかねないという状態になるという、圧倒的な緊張感がたまらない。『機動警察パトレイバー The Movie2』にも似た空気が漂うが、それもそのはずで、押井守がストーリーコンセプトとして参加しているからだろう。

難民をネットに解放するというクゼの思想に惹かれた素子は、『GHOST IN THE SHELL/』で人形遣いと融合しネットの中に身を投じた素子とダブってくる。ラスト、荒巻の指令で公安9課の面々は事件数現場に向かうが、後から行くと言った素子は、彼らとは逆の方向にタチコマを走らせる。注意しないと見過ごしてしまいがちだが、これが劇中2年後の『Solid State Society』へと繋がっていく。

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