『手塚治虫 ブラック・ジャック展』に行ってきた
六本木ヒルズの東京シティビューで開催されている、手塚治虫のマンガ『ブラック・ジャック』の展示を観に行って来た。ウイークデーにも関わらず、結構多くの人が訪れていた。
最初のブースはブラック・ジャック邸のリビングや手術室が再現され、フォトスポットになっていた。東京の街並みが望める大きな窓ガラスには、いくつかの名シーンや名ゼリフが展示されていた。続いては主要キャラクターが紹介されるブースで、ここまでは写真撮影可能になっていた。
さて展示本編だが、まずはマンガ連載がどのようにして始まったかが、関係者のコメントなどを交えて紹介された。1970年代前半は劇画ブームで、手塚はスランプ期とされていた。『ミクロイドS』は不評、虫プロは倒産。少年チャンピオンの担当は、手塚の死に水をとる気持ちで連載を開始。それが半年後くらいに大きな反響があり、担当はいけると感じたそうだ。
続いて原画展示のブースとなるが、物量の多さに圧倒された。1話完結スタイルで、複数回に登場するキャラクターはもちろんいるが、基本は独立した話だ。第1話から始まるが、その後はテーマ毎にくくられていた。個人的に文庫版で全巻を読んでいるが、覚えていた回は半分くらいで、そのほかは新鮮な気持ちで読ませてもらった。
椎竹先生の『六等星』、無医村で奮闘する無免許医をサポートする『古和医院』、兄弟愛がにじみ出る『おとうと』などは、個人的に好きなエピソードだ(あれ、どれもブラック・ジャックがメインで執刀する話じゃない)。
そして、今更だがピノコの存在がブラック・ジャックにとってとてつもなく大きいことを改めて思い知らされる。ピノコをフィーチャーした話を集めたブースもあって、ブラック・ジャックがピノコを救うだけでなく、ピノコが機転をきかせてブラック・ジャックをサポートする話もある。そして最後の展示は、やはり『人生という名のSL』だった。
この類の展示は、だいたい1時間程度で観終わることが多い。がしかし、今回ばかりは各作品を読み込んだので、2時間近くかかった。それくらい充実した展示内容で、魅了されたのだ。
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