*

『柔らかい肌』(1964年)

公開日: : フランソワ・トリュフォー

『柔らかい肌』(1964年)

著名な評論家ピエールは、講演旅行の飛行機内で若きスチュワーデスのニコルを見かける。同じホテルに宿泊していたことから彼女をデートに誘い、やがて深い仲になる。妻も娘もいて幸せな生活を送っていたピエールだが、二重生活を始めることにする。

ニコルとゆっくり過ごすために、地方都市での講演旅行を組んだピエール。しかし、旅行先から自宅の妻に電話した際に嘘がバレてしまい、帰宅後に離婚を言い渡される。ピエールはニコルと一緒に生活することを考え、新居を探す。しかしニコルは、相談なく新居を決めてしまったピエールに醒めてしまう。

よくある不倫ものではあるが、タッチがサスペンス調になっている。監督のフランソワ・トリュフォーはヒッチコックに傾倒していて、本作の2年前にインタビューしたこともあってか、影響が出ているのだと思われる(インタビューを元にしたドキュメンタリーが、2015年に公開されている)。また本作の結末は、新聞で目にした実話をもとにしたそうだ。

ヒロインのニコルは、フランソワーズ・ドルレアック。妖精というか小悪魔というか、中年男を惑わすには充分すぎる魅力を備えている。本作と同年に公開された『リオの男』では、の相手役を務めている。もっと活躍していいはずの女優だったが、3年後に自動車事故で25歳の若さで亡くなってしまった。

関連記事

華氏451(1966年)

未来社会、情報はテレビによって伝達され、書物は危険なものとして禁止され、書物は通報もしくは発

記事を読む

大人は判ってくれない(1959年)

12歳のアントワーヌ・ドワネルは、学校では成績が悪く、いたずら好きで教師に目をつけられている

記事を読む

ヒッチコック/トリュフォー(2015年)

映画監督アルフレッド・ヒッチコックを、同じく映画監督のフランソワ・トリュフォーがインタビュー

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑