名探偵ポアロ ベネチアの亡霊(ちょこっとネタバレ)
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最終更新日:2023/09/25
エルキュール・ポアロ・シリーズ ケネス・ブラナー
1947年のベネチア。隠遁生活を送っていたエルキュール・ポアロに、友人の推理作家オリヴァが訪ねてきて、降霊会に参加することに。会場のパラッツオ(イタリアの建築物)では、ハロウィンパーティーの後に降霊会が開催。霊能者ジョイス・レイノルズによる、霊との対話が始まる。
非科学的な事象を信じないポアロは、レイノルズのトリックを見破る。降霊会は中断するが、ポアロは何者かに命を狙われる。ボディーガードのヴィターレが駆けつけたことで、なんとか助かったポアロ。その直後に悲鳴が起こり、レイノルズが彫像に串刺しになって死んでいるのが発見される。
ケネス・ブラナーが監督・主演するエルキュール・ポアロシリーズの3作目になり、アガサ・クリスティ作品としては長編実写化がはじめてとなる『ハロウィン・パーティー』を原作としている。
パラッツオでは、1年前にアリシアという女性が亡くなっていた。降霊会に参加したのは、アリシアの母ロウィーナ、世話役だったセミノフ夫人、検死をしたフェリエと彼の息子のレオポルド、元婚約者ジェラードといった、アリシアに近い人たち。そしてポアロ、ヴィターレ、オリヴァ。更に、霊能者レイノルズとふたりの弟子となっている。
例によって全員が容疑者のようになるが、今回はポアロが霊や超常現象に振り回されるという要素が加わっている。止めたはずの蛇口からお湯が流れたり、ハロウィンパーティーから居残っていたと思しき少女に話しかけるも幻だったり、子供の声がポアロにだけ聞こえたりする。(こうした現象は、終盤であっさりとポアロに解明されるのだが)。
ポアロ以外のキャスト、観ているときにはほとんど気づかなかったが、観終わった後に調べてみたところ、何人かは別の作品で観たことのある人だった。フェリエのジェイミー・ドーナンは『マリー・アントワネット』のフェルゼン、ロウィーナのケリー・ライリーは『シャーロック・ホームズ』のメアリー役だった。
ヴィターレのリッカルド・スカマルチョは、『ジョン・ウィック:チャプター2』のサンティーノや『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』の翻訳者のひとり。レイノルズのミシェル・ヨーは、今年アカデミー賞を取った人というより、個人的には『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』ボンドガールのリンとして認識している。
事件が解決して帰宅したポアロは、どうやら探偵業を再開。ケネス・ブラナー版は本作が最後かと思ったが、続編を作ろうと思えばまだまだ作れそうだ。
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