パリは燃えているか(1966年)
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最終更新日:2023/09/05
伝記/実話に基づく ジャン=ポール・ベルモンド, パリ
第二次大戦中、1944年8月のパリはドイツ軍の占領下にあった。ヒトラーは、現地を指揮するコルティッツ将軍にパリを焼き払う命令を出す。フランスのレジスタンスは、ド・ゴール将軍派と共産派が対立。ド・ゴール派のデルマは、ドイツ軍に囚われているラベを救出すべく、スウェーデン領事ノルドリンクとラベ夫人を動かすが、失敗してしまう。
ノルドリンクは、連合軍がパリを迂回してフランス軍と合流することをコルティッツに伝える。コルティッツは、フランスと一時休戦してドイツの爆撃を止め、その間に連合軍を呼ぶよう、ノルドリンクに遠回しに伝える。事情を知ったデルマは、ガロア少佐を連合軍司令部に送る。
3時間近い大作で、パリを舞台にしたフランスおよび連合軍側とドイツ軍側を交互に描いている。戦闘シーンは少なめで、10代の頃に観たら退屈してしまいそうだが、今の自分にとっては両陣営の駆け引きや心理戦が面白く、尺の長さも負担にはならなかった。
ドイツの戦車にレジスタンスがバズーカ砲で応戦するなど、戦闘シーンには迫力があった。戦車も、1台2台ではなくかなりの台数が連なってパリ市街を走行していて、本物を使ったのだろうか。また、戦争時と思われる記録映像も、いくつか組み込まれていた。
レジスタンスのひとりにジャン=ポール・ベルモンド、デルマをアラン・ドロン、ノルドリンクをオーソン・ウェルズ、米軍将校をカーク・ダグラスなど、豪華顔ぶれが揃った。がしかし、頻繁に場面が切り替わるなど特定のキャラクターだけを追いかけることはない。強いて言えば、ドイツ軍のコルティッツが主人公的な存在に思える。
コルティッツは、ドイツの劣勢やヒトラーの狂気を感じ取っていた。自らの立ち位置に苦悩しつつ、上官からの追求をぬらりくらりとかわし、パリを燃やさず和平を結ぶ方に持って行った。ゲルト・フレーべという人が演じているのだが、この人は本作の2年前に公開された『007 ゴールドフィンガー』でラスボスのゴールドフィンガー役だった人だ。
タイトルは、ラストで和平が成立しパリ市民が沸き立つ中、ヒトラーが電話口から発したことばとのこと。映像は全編モノクロだが、エンドクレジットになると、現在(映画公開時前後)のパリの街並みがカラーで映されていた。
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