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ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)『Some Girls Live In Texas’78』

公開日: : 最終更新日:2024/09/15 映像 , ,

ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)『Some Girls Live In Texas'78』

の蔵出しシリーズから、1978年のライヴ映像を観た。アルバム『Some Girls』に伴う北米ツアーから、テキサスの3,000人規模のシアター会場での公演だ。

バンドは、ストーンズ5人のほか、ピアノのイアン・スチュワート、キーボードのイアン・マクレガンのみというシンプルな編成だ。パンクの嵐が吹き荒れオールドウェイヴ扱いされることに対する回答、またがクスリで終身刑になりかけたというスキャンダルに対する、音楽のみで勝負するというストーンズの姿勢らしい。

メンバーの衣装はスマートカジュアルで、チャーリー・ワッツ以外のメンバーがこの格好でステージに立っているというのも、観ていて眩しく感じてしまう。が立ってキーボードを弾きながら歌うシーンは新鮮だし、マイクスタンドを分け合って歌うシーンも少なくない。ミックとキース、ミックとロニー、そしてキースとロニーと、目まぐるしく変わる。ミックはロニーにちょっかいも出している。

セットリスト全17曲中、『Some Girls』から7曲演奏し、しかも中盤に固め撃ち。当時では当然のセレクトだったと思われるが、今観るとかなり新鮮だ。オープニングと終盤に『Let It Rock』『Sweet Little Sixteen』とカヴァーを入れ、ルーツ確認とリスペクトを忘れていないのは、現在も同じだ。

キースコーナーでは『Happy』に並ぶ定番曲『Before They Make Me Run』が『Some Girls』には収録されているというのに、ここでは落ちているというのも、なんだかユニークだ。終盤は黄金ナンバーで攻め立てているのだが、ここには『Satisfaction』がない。面白い。

ボーナス映像は、2011年のミックのインタビュー、サタデー・ナイト・ライヴでのダン・エイクロイドのインタビューと3曲のスタジオライヴ、そしてABCニュースでのリハーサルの様子だ。

ストーンズは、そのキャリアの長さに比して映像作品の少ないバンドだったが、それもここ10数年で事態は大きく変わった。現在のツアーを『Four Flicks』『The Biggest Bang』という4枚組ボックスで出したかと思えば、『Gimme Shelter』のボーナス映像つき再発、更にはまさかの『Ladies And Gentlemen』復刻、そしてこの作品、と、ほぼ全時代に渡るフォローが完成しつつある。

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