ザ・バンド（The Band）のロビー・ロバートソンさん（Robbie Robertson）死去

ザ・バンドのリーダーでギタリストのロビー・ロバートソンさんが、9日に亡くなられた。80歳だった。

ロバートソンさんはホークスに加入し、やがてホークスはボブ・ディランのバックバンドを務める。その後バンド名をザ・バンドに変えると、ディランと共同制作をしつつ、ザ・バンドとしてもデビュー。『This Wheel's On Fire』『The Weight』などのヒットを出す一方、充実したアルバムを次々にリリースする。

しかし、ザ・バンドは1976年に解散。80年代から90年代には再結成したが、ロバートソンさんは加わらなかった。解散後のロバートソンさんは、セッションプレーヤーやソロとして活動する一方、映画音楽に比重を置くようになっていた。

今まで解散の理由を知らず、今回調べてみたところ、ロバートソンさんはアルバム制作を重視したく、ほかのメンバーはツアーを重視したいとのことだった。ブライアン・ウィルソンとほかのメンバーでそれぞれに活動しつつ、バンドを存続させたビーチ・ボーイズのようにならなかったようだ。

個人的には、既に解散してしまったバンドを後追いで聴き、再結成来日にてナマで体験することが少なくない。しかしロバートソンが在籍したザ・バンドについては、それは成らなかった。ロバートソンさんのソロ作品も何枚か聴いているが、こちらもナマで観る機会には恵まれなかった。

なので、ワタシにとっての動くロバートソンさんは、映像の中の人だった。『フェスティバル・エクスプレス』、そしてなんと言っても『ザ・ラスト・ワルツ（The Last Waltz）』だ。ディランやニール・ヤング、ジョニ・ミッチェルら豪華ゲストを迎えてのパフォーマンスは、パンクロックの台頭もあり、ひとつの時代の終わりを示すことになったと思う。エリック・クラプトンと並んでギターを弾くロバートソンさんの勇姿は、今も目に焼き付いている。

ここ数年は闘病中だったとのこと。マネージメントの声明によると、家族のほか元妻にも見守られて旅立ったそうだ。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。