帰らざる河(1954年)
アメリカ北西部のとある町。9歳の息子マークを探しにきたマットは、酒場のシンガーのケイに世話されていたマークを引き取り、農場で暮らし始める。あるとき、農場近くの川で流されているいかだを見つけ、乗っていた男女を助け出す。ふたりは、ケイと彼女の恋人のハリーだった。
ハリーは、イカサマのギャンブルで金鉱の権利を手に入れていた。マットを脅して馬と食料を奪い、イカサマがバレる前に登記を済ませようとしていた。ケイはハリーから離れ、マットたちと行動を共にするが、マットはハリーを追いかけて殺そうとしていた。
ケイをマリリン・モンロー、マットをロバート・ミッチァムが演じている。ロバート・ミッチャムとの身長差からモンローは小柄かと思ったが、調べたらモンロー166センチ、ミッチャムは185センチあった。
ストーリーはさておき、どうしてもモンロー中心に観てしまう。ハイライトは冒頭とラストでの、彼女がギター弾き語りで『帰らざる河』を歌うシーンだ。ギターを高い位置に構え、色気たっぷりで優雅に歌う姿は、酒場に居合わせた男たちを虜にしてしまっていた。
公開は1954年で、時間軸的にはモンローはジョー・ディマジオと結婚し、新婚旅行で来日した後になる(撮影は前年までに終了しているとのこと)。モンローは、こんにちでは作品や演技以上に彼女の生きざまやキャラクターの方が語られがちだが、『帰らざる河』を歌うシーンは名演のひとつだと思う。
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