クリード チャンプを継ぐ男(2015年)
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最終更新日:2023/05/29
ロッキー シルベスター・スタローン
ロサンゼルスの孤児院にいたアドニス(ドニー)は、元ボクシング世界ヘビー級チャンピオンのアポロ・クリードの私生児だった。アポロの妻メアリーは、ドニーを養子として引き取って育てる。成人したドニーは証券マンとして働いていたが、ボクサーになる夢を捨てられなかった。
フィラデルフィアに渡ったドニーは、ロッキーにコーチを依頼。彼がアポロの子と知って驚くものの、コーチを断るロッキー。しかしドニーは諦めず何度も頼みこみ、ロッキーはついに根負けしてトレーナーを引き受ける。ドニーは初試合で勝利するが、伏せていたクリードの名がばれてしまい、アポロの子として一躍脚光を浴びる。
『ロッキー』シリーズは6作で完結しているので、観るまではスピンオフ作品だと思っていた。が、『ロッキー・ザ・ファイナル』から9年ぶりとなる、続編の要素も備えている。
ドニーが父とロッキーとの試合を観るのがYoutubeだったり、ロッキーが練習メニューを紙に書くとドニーがスマホで撮影してこれでOKと言ったりと、ふたりのジェネレーションギャップがなんとも微笑ましい。ニワトリを追いかけ回すトレーニングを言い渡され、当然戸惑うドニーだが、かつてロッキーが取り組んでいたのを知っていて観ると、感慨深い。
ロッキーはシルベスター・スタローンで、さすがに見た目は老けこんでいるが、妻や友を失い生きる目的を失いかけていたところに、ドニーとの出会いで自身の再生をも賭ける姿には、じぃんとさせられる。ドニーは、マイケル・B ・ジョーダン。個人的には、公開は後だが『ブラックパンサー』のキルモンガー役を先に観ていて、ギラついたヤバそうなキャラと本作のピュアさが残る青年を、うまく演じ分けていると思った。
ドニーの恋人ビアンカは、テッサ・トンプソン。『マイティ・ソー/バトルロイヤル』以降MCU作品の常連となり、『メン・イン・ブラック:インターナショナル』にも出演。しかし時系列では本作の方が早く、進行性の難聴を患いつつ前向きに生きようとし、ドニーの理解者にもなる姿は、後のブレイクを予感させてくれる。クライマックスでのドニーの対戦相手になるチャンピオンのコンランは、なんとホンモノの元ボクシング世界チャンピオンの人が演じていた。
監督はライアン・クーグラーという人で、『クリード』シリーズのほか、『ブラックパンサー』2作の監督も務めている。つまり、黒人を主軸にした描写、およびエンターテイメントとシリアスのバランス感覚に優れた人なのだと思う。
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