PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE(少しネタバレ)
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最終更新日:2023/05/18
PSYCHO-PASS サイコパス 攻殻機動隊
大型船が海上で武装集団に襲撃され、ミリシア・ストロンスカヤ博士が殺害されてしまう。博士は、シビュラシステムが国内外に及ぼす影響をシミュレーションしたデータを文書にまとめていて、死の間際に雑賀譲二宛に連絡していた。博士を日本に呼んだのは、厚生省統計本部長の慎導篤志だった。
捜査は外務省と公安との合同となり、雑賀を護衛。一行は博士の文書を受け取るために出島に向かうが、武装集団に襲われて雑賀は命を落としてしまう。集団の正体は、元外務省海外部隊で構成された「ピースブレーカー」だった。彼らは脳内にチップを埋め込まれていて、元外務省職員の砺波が指揮していた。
2012年に第1期が放送され、本作は10周年と銘打って劇場公開され、『Sinners of the System Case.3『恩讐の彼方に__』』と第3期との間に該当する。劇中の時間軸は最新ではないが、ほぼほぼオールスターキャスト出演になっていて、総集編の様相を呈している。かつ、謎がすべて明らかになっている。
第3期では、新任監視官の慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフはそれぞれ父の兄の死の真相を解き明かすことを目指していたが、それらはここで明らかになっている。熱心なファンであれば、博士のファミリーネームを聞いた時点でピンと来たに違いない。博士は、炯のパートナー舞子の母親だった。また、コングレスマンの法斑、代銀、裁園寺も、わずかではあるが登場している。
灼の父篤志は本作のキーパーソンで、雑賀の大学時代の先輩でもあり、外務省の花城フレデリカの上司矢吹、そして砺波と同僚だった。炯の兄である煇も、本作ではある重要な役目を担っていた。
宜野座は、外務省行動課所属となっていた狡噛と再会した際に詰め寄るが、これは『劇場版』ラストからの流れになっている。クライマックスで須郷が国防省の協力を得てドローンを操縦するのも、『Sinners of the System Case.2『First Guardian』』を観ていればすんなり受け入れられる(須郷に協力する国防省の猿飛は、『Case.2』に出演している)。ふたりが第3期で外務省に転属になっているのも、頷ける展開だ。
そして、なんと言っても常守朱と狡噛との共闘が感慨深い。距離感は『劇場版』のときともまた異なっていて、『Case.3』を経て心の整理がついたと思われる狡噛が、より自然体で動いているように見えた。ふたりの関係性は最早監視官と執行官でもなくなり、阿吽の呼吸に近いパートナーぶりになっていたと思う。
常守が第3期でなぜ監禁されているのかも、終盤で明らかになる。ラストでの狡噛のことばに、グッとさせられる。
制作がProduction I.Gの未来SFということもあって、『PSYCHO-PASS サイコパス』は『攻殻機動隊 Stand Alone Complex』に通ずる作品だと、常々思っていた。今回、難民居住区を出島に設定していること、決戦の地が北高領土になっているが、これはまさに『2nd GIG』と関連していると思った(こちらは決戦の地を出島にしているが)。
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