PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3『恩讐の彼方に__』
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アジア各国を放浪していた狡噛慎也は、チベット・ヒマラヤ同盟王国でテロ組織に襲われかけた市民が乗るバスを救い、乗り合わせていたテンジンという少女から戦う術を教えてほしいと頼まれる。両親や知人を目の前で殺された復讐が目的と知り、狡噛は復讐ではなく護衛のためとすることを条件に、彼女を訓練する。
外務省の花城フレデリカは、シビュラシステムの判定により帰国できなくなった日本人の調査のため、同国を訪れていた。在留邦人のうち、色相に異常がなければ帰国できる可能性があるという。花城は狡噛とテンジンに接触し、父が日本人のテンジンは該当していたが、彼女は両親が愛したこの国に残ると言う。
時間軸的には、恐らく『劇場版』の後に直結すると共に、『First Guardian』の後にもなっていると思われる。タイトルの『恩讐の彼方に__』は菊池寛(作家で芥川龍之介の友人、文藝春秋社を興し、芥川賞を創設)による著書で、ワタシは作品自体は未読だが、あらすじはふわっと知っている。テンジンの父の愛読書で、彼女は狡噛から日本語を教わって読んでいた。当初は復讐を諦めきれなかった彼女だが、この書を読んで渋々収まっていた。
狡噛のアジアへの逃亡は、シビュラでは裁けなかった槙島を射殺し犯罪者認定されてしまったのが、直接の原因だ。そしてそれは、傭兵として戦う中での自分探しの旅にもなっていて、槙島の幻影と対話する場面が何度も登場する。どちらも意識はしていなかっただろうが、ふたりはとてもよく似ていると思う。
本作で狡噛に次ぐ活躍を見せているのが、花城フレデリカだ。個人的に『Sinners of the System』3作を観る前に第3期を観てしまったので、狡噛と宜野座が外務省で花城の部下として登場したのには驚いた。そして、ふたりいや須郷を含めた3人を束ねているのが花城という構図は、とてもよくできている。彼女を主役にした、サイドストーリーがあってもいいかなとも、思わせてくれる。
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