椎名林檎『(生)林檎博’18ー不惑の余裕ー』
2018年10月から11月にかけて開催された、椎名林檎ライヴツアーのライヴ映像を観た。11月22日と25日のさいたまスーパーアリーナ公演から編集されていて、個人的には24日と25日の公演に足を運んでいた。
椎名林檎@さいたまスーパーアリーナ 2018年11月24日
椎名林檎@さいたまスーパーアリーナ 2018年11月25日
このときのツアー、バンドのほかオーケストラも動員されていて、オーケストラ側からのアングルでスタート。映像は宇宙空間になっていて、こんなに壮大な出だしだったかなと改めて思わされた。指揮者の斎藤ネコが手旗を振って場内にアピールし、やがて『本能』のイントロが。ステージに登場したのはタキシード姿のMummy-Dで、ラップ調に歌い上げる。
やがて椎名林檎がステージ後方からガラス(恐らく飴細工)を破って姿を見せる。続く『流行』も、Mummy-Dとのデュエットだ。バンドは、ギター名越、ドラムみどりん、ベース鳥越、キーボードヒイズミ。林檎を含む5人は、クワガタなど何かしらの生物を衣装につけていた。これは会場で認識するのは難しく、映像作品だからこそ確認できる。
アリーナクラスともなると、演出も豪華だ。ダンサーはBAMBIとAIを筆頭格とし、6人の女性ダンサーが彩っている。バックの映像は、『歌舞伎町の女王』のときは新宿歌舞伎町ネオン街風になり、看板や壁面にはアルバムタイトルや曲タイトルなどが散りばめられていた。林檎の衣装替えの際には、若女将こと林檎の娘(当時5歳)によるナレーションが流れていた。
今回はゲストも豪華で、『東京は夜の七時』『長く短い祭』では、浮雲が登場。以前の林檎のツアーではギタリストとして参加していたが、別格扱いになって出世したなと思った。『目抜き通り』はトータス松本との、『獣ゆく細道』は宮本浩次とのデュエットだ。収録日を22日と25日にしているのは、前者ではトータスが、後者では宮本が、生ゲストとしてステージに立ったからだ。
『獣ゆく細道』の終盤は、ダンサーたちが林檎のまわりを踊りながらぐるぐる回るんおだが、宮本も加わっていた。踊るというよりぐしゃぐしゃに暴れまわっている風で、観ている方は笑いをこらえるのに必死だったが、林檎も吹き出しそうになっていた。宮本はアンコールにも登場して、エレカシの『悲しみの果て』を林檎とデュエット。日本人男性アーティストで、椎名林檎に指名されてデュエットすることがステータスになっているのではと思う。
ボーナス映像もあって、他の公演からの『はいはい』、そしてMC集「余裕み時間」。『はいはい』は林檎の活動初期に発育ステータスのメンバーでレコーディングした曲で、すげー貴重と思っていたら、ワタシが足を運んだ2公演以外ではすべて演奏されていたとのこと。嗚呼。MCはレキシとのゆるーいやりとりで、微笑ましかった。
ライヴを観に行った身としては、映像の記録として残り、いつでも追体験できるのが非常にありがたい。忘れてしまっている箇所もあるので(汗)、それを思い出させてくれるありがたいアイテムだ。
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