浜田省吾『A PLACE IN THE SUN at 渚園』を観た
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浜田省吾が1988年に静岡県浜松市の野外ステージで敢行したライヴが劇場公開され、観に行って来た。
巨大ステージが白い幕で覆われ、浜田が歌う『A PLACE IN THE SUN』をSEとし、幕の中の浜田が何かつぶやいていた。そして幕が開き、『路地裏の少年』でスタート。歓声のヴォリュームが、一段と大きくなる。何万人がこの場に集結したのか(購入したパンフレットによると、5万5千人だとか)。上空には飛行船がゆったりと飛んでいて、とにかく、単独アーティストの公演とは思えないスケールの大きさだ。
浜田は白いジャケットにジーンズ姿、バンダナを巻きサングラスはティアドロップだ。個人的にはじめて浜省のライヴを観たのは2001年で、既にそのときともビジュアルは異なっている。バンドは、ギター×2、ベース、ドラム、キーボード×2、トランペット、サックス。ギターの町支とサックスの古村は、現在も浜田と共にステージに立っている。もうひとりのギターは、水谷公生だった。
当時35歳の浜田は若々しく、エネルギーが溢れ出ていた。ステージの中央前方に突き出した花道、左右に広がった花道、後方ひな壇などに何度も足を進め、熱唱していた。町支や古村も若く、古村がサックスを吹きながら走って花道の先にまで躍り出たのには驚いた。水谷と町支、水谷と浜田が並んでギターを弾く姿にも、観ていて胸が熱くなった。
セットリストは、この年リリースした『FATHER’S SON』からの曲を軸にしつつ、キャリアを代表し現在でも歌い演奏される曲が目白押しだ。大作『僕と彼女と週末に』は2011年のツアーでも軸になっていたが、ドラマ性を帯びた曲調は、野外の舞台で異様な雰囲気を放っていた。そして、アンコールでの『J.BOY』は、現在のライヴのアレンジとは異なる、原曲に沿ったアレンジになっていた。
21世紀以降の浜田のライヴは、ツアー毎にコンスタントにリリースされている。一方で、それ以前の映像となると『On The Road “Films”』があるくらい。こうした状況の中、88年の、しかも大規模野外ライヴが映像として記録されていて、劇場で観ることができたというのは、願ってもない機会だった。ワタシが入ったのは通常のシアターだったが、音が側面や後方からも流れるなど、音響面にもこだわりがあった。劇場公開の次は、DVDリリースを期待したい。
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