『ジェフ・ベック・アンソロジー』を読んだ
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最終更新日:2023/04/25
Jeff Beck エリック・クラプトン, ジェフ・ベック, ジミー・ペイジ, レッド・ツェッペリン
1月に突如訃報が伝えられた、ギタリストのジェフ・ベック。レコードコレクターズ社から特集号が増刊として急遽2月に発売され、入手していた。
月刊の音楽雑誌レコードコレクターズは、主に評価が定まったアーティストを毎月特集として組んでいる。ジェフ・ベックについては計4回特集されていて、これらを中軸に据えつつアルバムがリイシューされたときの単発記事なども集約したのが本書で、かなり読み応えがあった。
冒頭が1989年の特集で、これは所持しているブリティッシュアーティスト特集号で読んだことがあった。がしかし、それ以外は今回読むのがはじめてだった。構成は、ヒストリーものなどのまとまった文章が2・3、全アルバムをはじめとしてシングルや編集盤などのレビュー、レコーディングやツアーに参加したアーティストやプロデューサーなどの紹介、というのが基本フォーマットだ。
活動全般をフォローする場合は各アルバムに費やす紙面は限られるが、単品リイシューの場合は1曲ごとに掘り下げられている。『Wired』のリイシュー特集では、ヤン・ハマーだけでなくナラダ・マイケル・ウォルデンの貢献度も決して低くないことを今更ながらに知った。個人的には、かつてテレ東で放送されていたバラエティ番組『浅ヤン』での、小室哲哉オーディションで選ばれた女性シンガーのプロデューサーとして観たのが最初だった。
ベック、ボガート&アピスのアルバムリイシュー特集で、『Live In Japan』が再発されていたのはなんとなく聞いていたが、曲追加されていたことや実際の演奏順に近い曲順に再配置されていたことまでは知らず、すっかり情報に乗り遅れていたことを痛感させられた。この再発はもちろん限定で、現在は入手不可のプレミアアイテムになっている。
2009年にジェフ・ベックとエリック・クラプトンが同時期に来日したことがあり、それぞれの単独公演の合間をぬってふたり名義でのジョイント公演が実現。それにリンクさせた、ふたりのベストソング特集もあった。がしかし、選曲はクラプトンはバンド時代、ジェフ・ベックは70年代がほとんどで、近年の作品はほぼ入らなかった。選者の年齢層の高さを感じたが、ワタシが選んだ場合、クラプトンは大差ない結果になると思った。ジェフ・ベックは、80年代以降の曲も入れると思う。
終盤はヤードバースの特集で、なるほどと思った。クラプトンとジミー・ペイジも在籍したバンドだが、クラプトンはポップに流れるのを嫌がって脱退、ジミー・ペイジはレッド・ツェッペリンの構想を実現する準備段階として捉えていた節があって、純粋にヤードバーズに傾倒したのはジェフ・ベックだけだったのではと思うからだ。
エリック・クラプトンは現在もツアー中、ジミー・ペイジはレッド・ツェッペリンの伝導師として健在な中、ジェフ・ベックが旅立ってしまったのが返す返すも残念でならない。しかし、この人が遺した曲と演奏は永遠不滅だし、『Scatterbrain』を、『Starcycle』を、『What Mama Said』を、ワタシはこれからも聴き続ける。
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