*

『いとしのレイラ』の元ネタ小説『ライラとマジュヌーン』

公開日: : 最終更新日:2023/04/11 Eric Clapton

ライラとマジュヌーン

アラブのとある豊かな首長の子として生まれたカイスは、学舎にて美しい乙女ライラと知り合い、恋に落ちる。ライラへの想いが強すぎるあまり、咆哮したり身に付けている衣服を自ら破り捨てたりと、野獣のごとく振る舞うようになる。人はカイスをマジュヌーン(狂人)と呼ぶようになり、マジュヌーンは人里離れた山中で獣と暮らすようになる。

一方のライラも、マジュヌーンへの想いは募る一方だったが、親族によってマジュヌーンと会わないよう隔離され、別の男と結婚させられる。やがてその夫は亡くなり、狂人となったマジュヌーンに手を差しのべ続けてきた彼の父も亡くなり、ついにはライラも病で亡くなってしまう。ライラの死を知ったマジュヌーンは彼女の墓前に赴き、そこで彼女への想いを募らせながら息絶える。

イスラム地域に伝わる悲恋物語で、この物語完全フィクションかと思いきや、訳者のあとがきによると、8世紀に実際にあった話をもとにしているのだそうだ。ストーリーの大枠だけは事前にやんわりと知っていたが、カイスがマジュヌーンに変貌してしまうのが、物語の序盤だったことには驚いた。

恋の重さに耐えかねて狂人になるカイス、狂人になってもなお変わらぬ想いを抱き続けるライラ。2人が誰にも邪魔されずに会えるようになったのは、ライラの墓前でのこと。もちろん悲劇には違いないのだろうが、もし2人が一緒になれたとして、2人は幸せになれたのだろうか。

ワタシが読んだのは、12世紀の詩人ニザーミー作の翻訳版。この物語は、がデレク・アンド・ザ・ドミノスという変名バンドのときに作り、現在でもこの人のキャリアを代表する曲になっている『Layla/いとしのレイラ』である。

関連記事

エリック・クラプトン(Eric Clapton)『461 Ocean Boulevard (Deluxe Edition) 』

エリック・クラプトンが1974年にリリースした、『461 Ocean Boulevard』。

記事を読む

結局行きます(笑)

以前、7月12日の記事でエリック・クラプトンの来日について触れていた。90年に初めて観て以来

記事を読む

エリック・クラプトンのライヴアルバム

コンサートに備えてそのアーティストの作品を聴き込むのは、ワタシにとっては当たり前のことだ。2

記事を読む

エリック・クラプトン(Eric Clapton)『Unplugged(CD+DVD)』

エリック・クラプトンの、90年代のイメージを決定づけたMTV番組企画アンプラグド。CDと映像

記事を読む

今回は・・・!?

エリック・クラプトンの、2年ぶりの来日公演が発表された。例によって、1ヶ月近くに渡ってほぼ全

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑