坂本龍一さん死去
坂本龍一さんが3月28日に亡くなられた。71歳だった。2020年に直腸がんが見つかり、闘病の中でも最後まで音楽活動を続けていた。
知ったのは80年代前半で、テレビを通じて忌野清志郎と組んだ『い・け・な・いルージュマジック』や、ymo『君に、胸キュン。』、映画『戦場のメリークリスマス』でのヨノイ役とテーマ曲の辺りだった。音楽をちゃんと聴くようになったのは、ずっと後のことだ。
21世紀になってからだが、何度かライヴに行かせてもらった。最初は2005年のバンドスタイルで、以降アルヴァ・ノトことカールステン・ニコライと組んだ2006年、大貫妙子をゲストに迎えた2009年。そしてYMOは2007年ライヴアース、2011年フジロックとワールドハピネス、2012年ノー・ニュークスで、観させてもらった。
映画音楽は『戦メリ』だけでなく、『ラストエンペラー』ではアカデミー賞を受賞し、世界に評価された。公開時に劇場にまで足を運んだアニメ映画『オネアミスの翼』での、近未来の世界観を表現した音楽も印象的だった。
社会派としての活動もおこなっていた。地雷除去のチャリティーとしてZERO LANDMINEを結成したことがあり、上述のノー・ニュークスは、東日本大震災を受けて原発稼動の是非が世に問われる中、開催を提唱したのは坂本さんだった。
最近の写真を見る限り、残された時間が多くはないのではと思っていた。しかし、1月の高橋幸宏に続いての訃報には、なんともやりきれない気持ちにさせられる。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
関連記事
-
『坂本龍一 本当に聴きたい音を追い求めて』を読んだ
ミュージックマガジンの増刊で、坂本龍一の特集号を読んだ。もちろん坂本の死を受けての編集で、近
-
坂本龍一バンドスタイルのライヴへ
YMOという強烈なキャリアがあり、一般的には映画『ラスト・エンペラー』以来世界に名だたる音楽
-
Ryuichi Sakamoto CODA
坂本龍一のドキュメンタリー映画を観た。 311の東日本大震災の現地を訪れる場面から始ま
-
100年インタビュー 坂本龍一
NHKハイビジョンで、100年後の日本人にも観てもらいたいという願いをこめたインタビュー番組
-
レコードコレクターズ、坂本龍一特集号
昨年3月28日に亡くなった、坂本龍一。以降、追悼特集が各誌で組まれてきたが、月刊の音楽誌『
- PREV
- ジェーン・エア(日本公開2012年)
- NEXT
- 機動戦士ガンダムZZ