ブラインド・フェイス(Blind Faith)『London Hyde Park 1969』
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最終更新日:2023/03/09
Blind Faith エリック・クラプトン, スティーヴ・ウィンウッド, ロンドン, ローリング・ストーンズ
恐らくブラインド・フェイス唯一の公式映像であろう、ロンドンのハイドパークでのライヴを観た。
1969年6月7日に行われたフリーライヴで、10万人を動員したとのこと。そして、バンドにとってはこれが初ライヴであり、時系列的にはアルバムリリース前になるらしい。69年のハイドパークといえば、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズ追悼&ミック・テイラーお披露目ライヴが思い浮かぶが、それはこのライヴの1ヶ月後になる。
映像としてのクオリティには、正直言って不満が残る。カメラアングルは目まぐるしく変わり、ステージをじっと捉えることはほとんどない。ぎっしり詰まった10万の客や付近の川や橋などの風景に、音が被せられることも少なくない。これは、ひいき目に見れば、マスター映像があちこち破損していて、商品として世に出すために編集せざるをえなかった、苦肉の策だったのではと想定する。
そして、肝心かなめの演奏のクオリティも、決して高いとは言えない。スティーヴ・ウィンウッドのヴォーカルは上ずることしばしばで、高音がきつそうだった。全体的にみな動きが固く、ぎこちなさが見て取れる。デビューライヴで10万人では、そりゃ面食らうか。そんな中、ベースのリック・グレッチとギターのエリック・クラプトンは、表情を崩すこともなく淡々と演奏に徹していた。
この作品は、映像として記録され、世に出たことそのものに価値があるのだと思う。そして、リリース前ではあるがアルバムの曲はほとんど演奏されており、そしてストーンズ『Under My Thumb』のカヴァーまである。貴重にして希少、かな。
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懐メロ感漂うライヴになるのではという予測もしていたのだが、予想以上に素晴らしいライヴだった。