ザ・ポリス(The Police)『Certifiable』
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最終更新日:2023/02/23
The Police フー・ファイターズ
2007年から2008年にかけて、再結成ツアーを行ったポリス。2007年12月にアルゼンチンのブエノスアイレスで行われた公演を収録したパッケージがあって、ワタシが持っているのはDVD2枚+CD2枚のデラックス盤だ。
まずはCD2枚組の方。ライヴで演奏された、19曲が収録されている。スチュワート・コープランドがどらを鳴らし、アンディ・サマーズのリフによる『Message In A Bottle』にてライヴがスタート。この出だしだけで、聴いていてぞくぞくしてくる。ライヴアルバムの場合カットされることの多いMCも、ここには収録。スティングがスペイン語で挨拶や曲紹介などをしていて、結構新鮮だ。客の熱狂ぶりも伝わってきて、音だけでも充分に熱気を感じることができる。
そしてDVDだ。ディスク1は、CDとシンクロする19曲が収録。会場はスタジアム規模で、楕円形の広いステージにて、サポートメンバーを擁しない3人だけでの演奏が繰り広げられる。『Wrapped Around Your Finger』『King Of Pain』の2曲はマルチアングルになっていて、通常のショットとスチュワートのパーカッションにスポットを当てたショットの2つが堪能できる。また、ラスト『Next To You』の後には3人のコメントがあって、ブエノスアイレスでの公演が1980年以来で、当時のアルゼンチンは軍事政権下にあり、騒然とした雰囲気だったことを回想している。
ディスク2は、『Better Than Therapy』と題されたドキュメンタリーで、スチュワートの息子ジョーダンが制作。再結成の裏側を見事に捉えている。ツアーに先駆けて小さなクラブでのライヴがあり、その後記者会見に。フー・ファイターズのテイラー・ホーキンスが混じっていて、ちゃっかりインタビューしていた(笑)。スタジオでのリハーサルは、スティングとスチュワートとのやりとりがあって、ハイハットやバスドラをここで入れてくれ、など、かなり細かいところにもこだわり、チェックを入れている。前座を務めていたのはスティングの息子のバンド、フィクション・ブレイン。演奏中にスティングがステージ袖から観ていて、客のリアクションを見定めていた。
明確な宣言をすることなく、自然消滅的になくなったポリス。スティングのソロ活動が順調すぎることから、再結成はないと思われていた。それが、まさかの再結成が実現。『Better Than Therapy』において、スティングはロックに必要なのはサプライズと語っていて、憎めない人だなと思わされる。
このツアーでは、2008年2月に来日もしている。ワタシも東京ドームに足を運んでいて、ライヴを堪能した。この作品は、観に行った人にとってはライヴを追体験できる絶好のアイテムになるだろうし、観に行けなかった人にとっても、そのフォローをしてくれるに違いない。
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