『地球の歩き方 JOJO ジョジョの奇妙な冒険』を読んだ
海外旅行の定番ガイドブック「地球の歩き方」が、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』とコラボレーション。ジョジョ連載開始35周年を記念し、第1部から第8部までの作品の舞台となった世界各地を紹介している。
構成は、目次順に宮城県仙台市(4部、8部)、ヨーロッパ(1部、2部、5部)、アジアおよびエジプト(3部)、北米(2部、6部、7部)という流れになっている。
仙台市は作者荒木飛呂彦の出身地でもあって、キャラクターの姓が知名に因んでいることは、うすうす感じてはいた。それが、特に8部では、大半の敵キャラ姓が知名になっていたことがわかった。
仙台市の後に、荒木のインタビューが掲載。本人も世界各地を旅していて、もちろんそこで得た知見が作品に活かされている。しかし、取材ありきの旅行よりも、現地に行ったことが後々作品に活かされていることの方が多いと語っていた。本人のいちばんのお気に入りは、イタリアだそうだ。
ヨーロッパは、イギリスが1部、イタリアが2部と5部だが、スピンオフで岸辺露伴がフランス・パリのルーブル美術館を舞台とするエピソードがあって、こちらもフォローしていた。1部は時代が19世紀のヴィクトリア朝で、実物よりも架空の知名や建造物の方が多いが、劇中を思い起こさせる地を紹介する対応をとっていた。
多くのページの欄外には、荒木や編集部のコメントが記されている。特にアジアでは、体を壊したり習慣に驚かされたりと、そのときは結構痛い目に遭っていることを隠さず披露。そしてそれらの経験は、もちろん作品に反映されている。
個人的にはロンドンとパリの「地球の歩き方」を読んだことがあるが、本書はそれらとは雰囲気が大きく異なる。多くの観光地の紹介には関連するエピソードが盛り込まれていて、『ジョジョ』を読んでいる人であればニヤニヤしてしまう。コロナ禍のときは海外旅行などままならなかったが、2022年から徐々に一般人でも海外渡航ができるようになった。ジョジョの聖地巡礼をするならば、本書は絶好のガイドブックになるはずだ。
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