ジェフ・ベックさん(Jeff Beck)死去
ロックギタリストのジェフ・ベックさんが10日に亡くなられ、公式ツイッターで現地時間11日に公表された。死因は細菌性髄膜炎で、78歳だった。
もちろんご高齢の部類に入る人だが、突然のことすぎて、驚き、そして悲しみに打ちひしがれている。
同世代のアーティストの中では、ぶっちぎりで現役感があった。まず見た目が若々しく、上腕をむき出しにした衣装でギターを弾く姿がたまらなくカッコよかった。ヤードバーズからジェフ・ベック・グループ、BB&A、ソロ、他アーティスト作品への参加と、その活動は長くそして多岐に渡っていた。ソロではギターインストのスタイルを確立させただけでなく、テクノやダンスの要素にも踏み込み、時代と向き合っていた。
個人的には、80年代の『Flash』が最初で、以降さかのぼって作品を聴いた。「ワールドプロレスリング」で新日本プロレスの次期シリーズ外国人レスラー紹介の際に流れていたのが『Starcycle』だと知ったのは、『There And Back』を聴いてからで、つまりジェフ・ベックさんと知らずに先に音楽に触れていた。
ワタシの人生初ライヴは89年2月のプリンスだったが、ライヴに行くことが習慣になったのは翌90年からだった。89年には『Guitarshop』を引っ提げて来日していたにもかかわらず、スルーしていたことを後になって悔やんだ。次に来たときは必ず行くと、心に決めていた。
しかし、「次」が来るまでになんと10年を待たなければならなかった。そして、99年に『Who Else!』のツアーで来日。『What Mama Said』で幕を開けたオープニングの衝撃は、今でも忘れられない。以降の単独来日公演には、欠かさず足を運んだ。最後に観たライヴは、2017年の東京国際フォーラム公演だった。計10回以上は観させてもらった。
この人のアルバムの個人的ベストは、ありきたりだが『Blow By Blow』になる。看板曲の『哀しみの恋人達』だけでなく、『Freeway Jam』『Diamond Dust』などを収録した名盤だ。『Scatterbrain』は、耳コピではどうやって弾いているのかわからず、映像で見てやっとわかるようになったと言ったのは、布袋寅泰だ。奇抜な邦題が乱立していた70年代のアルバムだが、本作の「ギター殺人者の凱旋」はかなりいい方だと思う。
とてもとてもとても残念。昨年はジョニー・デップと組んだアルバムをリリースしたり、オジー・オズボーンの新譜に参加したりと、まだまだ気を吐いていたというのに。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
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