デヴィッド・ボウイ(David Bowie)『Serious Moonlight Tour』
デヴィッド・ボウイが1983年に行った「シリアス・ムーンライト・ツアー」のライヴ映像を観た。83年9月の、カナダのバンクーバー公演を収録している(翌10月に、来日公演が実現している)。
会場はアリーナクラスと思われるが、映像はステージおよびフロア前方のショットがほとんどで、全体像は掴みにくい。ステージには柱がなく、開放的な作りになっている。
バンドはかなりの大所帯で、ベース、キーボード、ホーンセクション3人、コーラス2人。ドラマーはシックのトニー・トンプソン、ギターはカーロス・アロマーとアール・スリックという、贅沢な布陣だ。
ボウイにとっての最大ヒットアルバム『Let.s Dance』をひっさげてのツアーだが、セットリストはこの作品のみに固執することなく、キャリア横断的になっている。シングルヒットした『Let.s Dance』は、前半早々に演奏された。『Space Oddity』への、場内リアクションがすこぶるよかったのは新鮮。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの『White Light/White Heat』は、ほかのツアーで演奏しているのを観たことはあったが、このツアーでも披露していたのは意外だった。
ボウイはスーツ姿で、中盤でジャケットを脱ぐとサスペンダーにシャツといういでたちに。パフォーマンスはショウ的な要素が強く、コーラスはダンスもこなし、また曲によってはトランプに興じていた。バンド色が薄かったのはこの時期ならではかもしれないが、それでも、カーロス・アロマーとアール・スリックがボウイを挟んでプレイしたショットは、かっこよかった。
映像は『Fame』で終了するが、これは本編ラストらしく、実際のライヴではこの後アンコールで4~5曲ほど演奏された模様。オーラスは『Modern Love』だった。
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