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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(少しネタバレ)

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター

22世紀の未来。惑星パンドラにおいて、元海兵隊員のジェイクはアバターとして先住民ナヴィと交流し、武力による侵略をおこなう人間を倒し、自身をナヴィに同化させる。ネイティリと結ばれたジェイクは、3人の子ネテヤム、ロアク、トゥク、養女キリ、人間のスパイダーと暮らしていた。

かつてジェイクに倒された海兵隊のマイルズ大佐とその部下は、自身のDNAをコピーしたアバターとして復活。パンドラ侵攻以上にジェイクとネイティリへの復讐心に燃え、子供たちを襲いスパイダーを捕獲。ジェイクは家族を連れて一族から離れ、海洋民族のメトケイナ族に受け入れてもらうよう交渉する。

前作が2009年公開で、実に13年を経ての続編になる。劇中の時間軸も、約10数年後に設定された。ジェイクがナヴィ族になじみ家族を持つようになった一方、死んだマイルスがアバターとなって再登場。スパイダーはマイルスの子で、ふたりの微妙な関係性は終盤になってポイントのひとつになってくる。更には、死に際にナヴィと同化したグレース博士の娘がキリで、彼女は運命的な何かを課せられている。

前作は主に空中での攻防だったが、今回はタイトルにもある通り海洋を舞台とする。中盤はジェイクたちが海洋生物に馴染むさまが繰り広げられ、まるでディスカバリーチャンネルのよう(笑)。そして、その映像がとてつもなく美しい。近年で海洋を舞台にした作品は、ワタシが観た中では『アクアマン』『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』が思い浮かぶ。ただ、これらはいずれも海洋の中にテクノロジーを駆使して王国を築くプロットだった。一方本作は、海洋の自然との共生が存分に描かれている。次男ロアクは、巨大クジラのような生物トゥルクンと心を通わせる。

ジェイクはどこまでも戦いを回避しようとしたがやはり叶わず、終盤ではマイルスを始め人間たちと対決することになってしまう。遠い未来の地球外が舞台だが、人間がこれまで地球上でやってきた侵略行為が繰り返されているだけとも見えてしまう。

キャストだが、パフォーマンス・キャプチャーという技術で俳優の演技を顔や手の動きなど細部まで再現する技術が使われているとのこと。がしかし、風貌はナヴィになっているので、本人の面影を見いだすのは難しいというのが、実際に観ての感触だ。ジェイクは、ネイティリはゾーイ・サルダナ、メトケイナ族長の妻が。マイルスは前作も本作もスティーヴン・ラング、回想として少し登場するグレース博士は、そしてグレースの娘にあたるキリもまた、シガニー・ウィーバーだった。

監督は。実は『アビス』で既に海洋の世界を表現していて、本作はその進化形の要素も感じられる。ドラマとしては、今回は家族に比重を置いているのが興味深い。というのは、これまでの作品では男が女を助け、次に女が男を助けるという展開が多かったからだ。『ターミネーター』にせよ、『タイタニック』にせよ、そして前作『アバター』にせよだ。それが本作は、父ジェイク・母ネイティリが子供たちを救うのは当然として、その後にふたりに別々に迫った危機で彼らを励まし助けたのは、ロアクでありキリだったのだ。

シリーズは全5部作で、脚本は既に完成しているとのこと。今後は、2024年、2026年、2028年と、2年周期で公開されるそうだ。

ドルビーシネマの3Dで観たが、中盤以降の映像美には圧倒されっぱなしだった。前作もそうだったが、劇場の巨大スクリーンと音響設備の中で体感すべき作品だ。

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