Cocco 25周年 ベストツアー 2022 〜其の1〜@Zepp Haneda
11月8日の横浜から始まった、25周年ベストツアー其の1。約10日間のインターバルを経て、この日の東京公演から後半戦だ。個人的には両日ともスタンディングで参加だが、横浜は良番につき椅子席のすぐ後ろを確保できて、ステージが見やすかった。一方、今回は後ろから数えた方が早い番号だったので、ポジションも後ろ目になり、ステージの見え具合はまずまずといったところ。
予定時間を10分ほど過ぎたところで客電が落ち、バンドがスタンバイする中cocco登場。『強く儚い者たち』でスタートだ。バンドは、ベース根岸、ドラム椎野、前列向かって右のギターは長田。後方向かって右のキーボードは、恐らく渡辺シュンスケだろう。長田は浜田省吾のツアーギタリストでもあって、11日Cocco大阪、12・13日浜省名古屋、14日Cocco名古屋、19・20日浜省東京という強行ぶりだ。
そして、横浜公演のときはわからずじまいだった、前列向かって左のギタリストだが、その後ネットで調べた末、堀越信泰だと思う(この人のツイッターアカウントをさかのぼり、ロック・イン・ジャパンと昨年暮れのカウントダウン・ジャパンのバンド写真から判断)。この人のプレイは時にトリッキーで、時に変態的でもある。
しかし、この日ギターをギンギンに弾きまくっていたのは長田の方だった。主要なリフやソロは、ほとんどこの人だったと思う。オーソドックスなスタイルで、属に言う「泣きのギター」を何度となく繰り広げていた。長田と同じくDr.Strange Loveの根岸は、ほぼ直立不動でベースを弾いているにもかかわらず、音は冴え、地味だが存在感が大きい。Coccoの向かって左後方に陣取り、保護者のように彼女を支えているさまが伺える。
さてCocco本人だが、黒のぴったりシャツに黒のアームカバーと上半身は黒だが、下は白のシフォンスカートで、横浜のオール黒とは異なっていた。そして歌唱の方も、声も動きにも伸びがあり、緊張感を保つ中で自身を解放していっているように見えた。横浜のときは、「ダークサイドクイーン」の枠に自身を押し込めようとしすぎているように、ワタシには見えていた。
前半は活動休止前の曲をこれでもかとばかりに続けていたが、『有終の美』が中間点的な位置付けになった。続く『BEAUTIFUL DAYS』では、Coccoのギアが一段入ったかのようにエモーショナルに歌い上げ、バンドもそれに呼応するように凄まじい演奏を繰り広げた。個人的には、最初のピークだった。
ツアー前からアナウンスされていた新曲『お望み通り』では、Coccoが杖のようなものを振りかざすと光がちらつき、それから歌い始めた。コミカルなサビは、ここまでのシリアスモードからすると異色だった。根岸と渡辺が、コーラスを担っていた。終盤には、黒子が手作り感のあるクルマでステージに登場した。
『潮満ちぬ』では、またもや彼女の歌がエモーショナルになっていた。中盤に語りが入る展開は、彼女の中では異色中の異色だ。新曲(未発表曲)の『哀想歌』を経て、締め括りは『羽根 ~lay down my arms~』。自身が歌い終わると、ステージ右端、中央、左端で、それぞれバレリーナのお辞儀をした。前方の客に向けては、手を振っているようにも見えた。
セットリスト
1. 強く儚い者たち
2. カウントダウン
3. 雲路の果て
4. 樹海の糸
5. 遺書。
6. 晴れすぎた空
7. 星に願いを
8. 風化風葬
9. やわらかな傷跡
10. 有終の美
11. BEAUTIFUL DAYS
12. お望み通り(新曲)
13. Raining
14. 海辺に咲くばらのお話
15. 藍に深し
16. 焼け野が原
17. 潮満ちぬ
18.哀想歌
19. 羽根 ~lay down my arms~
カメラが入っていたので、もしこのツアーがDVD化されるとすれば、この日の公演が採用されるだろう。ただ、横浜でのダークサイドクイーンモードも個人的にはアリなので、特典映像扱いでいいので収めてもらえればと思う。
このツアーは、「25周年 ベストツアー 2022 〜其の1〜」と題されている。ということは、来年には「2023 〜其の2〜」が開催されると思っている。今回はライヴハウスツアーでセットリストはどちらかと言えば活動休止前の曲に重点が置かれていた。次回はどのようなスタイルになるか、今から期待している。
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