フラッシュ・ゴードン(映画・1980年)
惑星モンゴを支配するミン大帝によって、地球上は異変に見舞われていた。科学者のザーコフ博士は、自ら製作したロケットに乗って独自に交渉しようとしていたが、そこへ飛行機が不時着。乗っていたアメフト選手フラッシュ・ゴードンと、ひとり旅をしていた女性デイルも、ロケットに乗ることに。
しかし3人は捕らえられ、ミンはフラッシュの処刑ザーコフの記憶消去を命じ、そしてデイルを妻に迎えようとする。ミンの娘オーラはフラッシュに一目惚れし、処刑を偽装して彼を逃がす。フラッシュはミンの圧政に苦しむ国民たちを味方につけ、ミンの打倒と地球の危機を救わんとする。
アメコミを原作とする実写映画で、ジョージ・ルーカスが映画化を目指していたが権利を抑えられていて叶わなかったというエピソードがある(代わりに制作したのが『スター・ウォーズ』だとか)。映像技術は、この時期のSF映画としてはまずまずかもしれない。
ストーリーは異星人侵略者対3人の地球人という勧善懲悪の図式で、中国やモンゴル系のネーミングが悪の側に設定されている。ラスボスはミンだが、オーラをはじめ臣下は必ずしも一枚岩ではなく、それぞれに思惑があって、それがフラッシュやザーコフが付け入るスキになっている。
フラッシュはサム・J・ジョーンズという人で、アメフトスター選手という設定に見合う体を作っている。ミン大帝はマックス・フォン・シドーという人で、調べたら『007 ネバーセイ・ネバーアゲイン』でブロフェルドを演じていた。
当時がどう受け取られていたかわからないが、今観るとものすごく輝いているのが、オーラの恋人バリンだ。なんとティモシー・ダルトンで、この7年後に4代目ジェームズ・ボンドを担っている。ミンの配下という立場から中盤ではフラッシュと決闘するが、敗れて死を覚悟したところをフラッシュに救われ、協力してミンを打倒する。
作品としては『スター・ウォーズ』に大きく劣るが、別の意味合いで記憶に残っている。それはクイーンが担当した音楽で、テーマ曲はクイーンのキャリアに並んでひけを取らないクオリティを保っている。劇中ではオープニングやクライマックスなどに流れ、また一時期はフジテレビのF-1グランプリのテーマ曲にも適用されていた。
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