*

トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男(日本公開2006年)

公開日: : 最終更新日:2022/10/27 Eric Clapton

トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男(日本公開2006年)

2002年に亡くなった名レコーディングエンジニア、トム・ダウドの半生を綴ったドキュメンタリー映画になる。欧米では2003年に、日本では2006年に公開。当時、劇場まで観に行っていた。

トム・ダウド本人による解説で進行し、関連する人物のコメントが合間合間に挿入される。10代の頃からスタジオに入ってミックスの仕事を始め、若い頃はジャズ/フュージョン/ソウルなどのアーティストのミックスを手掛けた。レイ・チャールズが楽しそうにコメントをしていて、そこにトム・ダウド本人が現れて抱擁を交わすシーンは、胸が温まった。やがてロック界にも関わるようになり、オールマン・ブラザーズ・バンド、レイナード・スキナードなどを手掛けるようになる。

との出会いはクリーム時代で、『Sunshine Of Your Love』のイントロに独特のリズムを加えるのを提案したのがダウドだった。クラプトンとデュアン・オールマンとを引き合わせたのもダウドで、それが『Layla』レコーディング時の大きなポイントになった。終盤では『Layla』を流しながら、これがベースの音、これがデュアンのギター、これがドラム、といった具合にミックスをしていて、名作が如何にして世に生まれたのかというのを垣間見た気がした。クラプトンも、ダウドに対して全幅の信頼を寄せるコメントを出している。

ロックファンとしてのワタシの好みから言わせていただければ、フュージョン/ソウル畑のミックス作業に時間が費やされて過ぎていて、ロックアーティストとのミックス作業の方がコンパクトにまとめられた形になっていたのが残念だった。それでも非常にいい作品であることに変わりはなく、音楽を聴く人には自信を持って観に行くことをお薦めできる。

関連記事

今回は・・・!?

エリック・クラプトンの、2年ぶりの来日公演が発表された。例によって、1ヶ月近くに渡ってほぼ全

記事を読む

エリック・クラプトン(Eric Clapton)、3年ぶりの来日公演中

エリック・クラプトンの来日公演が、18日から始まっている。ワタシは、明日23日に横浜アリーナ

記事を読む

『いとしのレイラ』の元ネタ小説『ライラとマジュヌーン』

アラブのとある豊かな首長の子として生まれたカイスは、学舎にて美しい乙女ライラと知り合い、恋に

記事を読む

エリック・クラプトンー12小節の人生ー(ネタバレあり)

エリック・クラプトンー12小節の人生ー(ネタバレあり)

エリック・クラプトンのドキュメンタリー映画を観てきた。冒頭が2015年のB.B.キングへの追

記事を読む

エリック・クラプトン(Eric Clapton)『Crossroads Live 1988』

エリック・クラプトンがデビュー25周年ツアーと銘打って行った時期から、カリフォルニア公演のラ

記事を読む

S