大人は判ってくれない(1959年)
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最終更新日:2023/08/26
フランソワ・トリュフォー
12歳のアントワーヌ・ドワネルは、学校では成績が悪く、いたずら好きで教師に目をつけられている。家では、厳しい母親とうだつの上がらない父親に囲まれ、心が休まらない。友人と学校をサボったり、家出をして友人の家に転がりこんだりする。
それだけにはとどまらず、ついには金に困ってタイプライターを盗み、そして警察に捕まってしまう。両親は、引き取ってもまた家出するだけだからと、アントワーヌの鑑別所行きを承認してしまう。
監督フランソワ・トリュフォーの初の長編映画にして、自伝的作品とも言われる。トリュフォーも、映画好きで、親によって何度も鑑別所に送られ、両親との関係はよくなかったとのことだ。
ただ、ここでのアントワーヌは、問題児ではあったものの、手のつけられない不良、ケンカに明け暮れる過激さがあるわけではない。なかなか表面には出てこないが、内面的にさまざまな葛藤を抱えた少年だ。父親と母親は、時にケンカもするが、アントワーヌを気遣って3人で映画を観に行くシーンもある。なのに、それはアントワーヌには響かなかったようだ。
本作はカンヌ映画祭で監督賞を受賞するなど評価が高く、トリュフォーとヌーヴェルヴァーグの名を世に知らしめたそうだ。アントワーヌを主人公とした作品が、以降シリーズ化されているとのことだ。
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