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銀河鉄道999(映画版・1979年)

公開日: : 最終更新日:2024/12/09 銀河鉄道999

銀河鉄道999(映画版・1979年)

銀河鉄道が惑星間を走る未来社会。機械化人に母を殺された星野鉄郎は、機械の体をタダでくれるという星を目指し、謎の女メーテルと共に999号で地球を出発する。鉄郎は、行く先々で機械化人や生身の人間たちと接するうち、機械の体を得て永遠に生き続けることに疑問を持つ。

松本零士原作のマンガで、連載中にテレビアニメ化され、更に劇場公開されたのが本作だ。テレビ版は基本的に原作に忠実だが、劇場版は一部設定を変えている。鉄郎の年齢は10歳から15歳にあがり、クライマックスが原作やテレビ版に先んじて描かれている。

ワタシは劇場公開から数年後のテレビ放送が初見で、ある程度の情報を得てから観ている。しかし、当時劇場で早い時期に観た人は驚いたのではないだろうか。冒頭でいきなりキャプテン・ハーロックやヤッタランらの指名手配ポスターがあり、中盤でハーロックがアルカディア号に乗って登場する。原作にも登場していた、・エメラルダスも。

鉄郎は、土星の衛星タイタンで老婆から帽子とマント、そして宇宙に4丁しかない機械化人を倒せる銃を譲り受けるが、老婆の家に飾られていた息子の写真は大山トチローだった。そのトチローとは、惑星ヘビーメルダーで邂逅。トチローは、鉄郎の母の仇である機械伯爵の居所を彼に教えている。

キャストは、今見ると超豪華だ。鉄郎は野沢雅子で、今ではこの人の代表作は『ドラゴンボール』の孫悟空になるだろうが、個人的には鉄郎や『ガンバの冒険』のガンバのイメージが今でも強い。15歳の鉄郎は少年っぽさが薄らぎ、大人たちとある程度対等に渡り合っている。

メーテルは池田昌子。この人にとっては、この役と『エースをねらえ!』のお蝶夫人役が代表作だろう。ハーロックは『ルパン三世』で石川五ェ門役の井上真樹夫、エメラルダスは『ベルサイユのばら』でオスカル役の田島令子、999号車掌は『ドラえもん』で先代スネ夫役の肝付兼太だ。

トチローは『宇宙戦艦ヤマト』で古代進役の冨山敬、ガラスのクレアは同じく『ヤマト』で森雪役の麻上洋子、冥王星の墓の番人リューズは『ドラえもん』でのび太役の小原乃梨子、機械伯爵の手下シャドー(改めて見ると愛人に見える)を藤田淑子、ドクターバンは納谷悟朗だ。

そして極めつけが、トチローの母の麻生美代子だ。『サザエさん』の先代フネさん役の声優だが、お茶の間アニメの代表格の主要キャラクターがSFアニメに出演して、何の違和感も感じさせないのはさすがだった。こうして書いていると、もちろん現役の方もいらっしゃるが、鬼籍に入られている方が少なくない。

今回、20数年ぶりくらいに観たが、以前は気づかなかったところも見えてきた。鉄郎は母を愛していたが、メーテルは母に苦しめられてきて、鉄郎を羨ましがる描写があった。鉄郎がメーテルに恋い焦がれるのは当然として、メーテルは鉄郎のことを男性としては相手にしていないと、ずっと思っていた。ふたりの年齢や境遇の違いを思えば当然だが、一方でメーテルが自分の弱さを鉄郎に見せる場面もあった。

主題歌は、ゴダイゴによる同名のタイトル曲。今では、エグザイルにカヴァーされたことでより広く一般に浸透しているかもしれないが、もともとはココだ。『ガンダーラ』『モンキー・マジック』『ビューティフル・ネーム』と、ヒット曲を連発していた彼らが本作の主題歌を担ってくれたことは、当時(そして今も)ものすごく嬉しかった。

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