まんが道(ドラマ版)
1950年代の富山県高岡市。満賀道雄と才野茂は、合作で漫画を書いていた。高校卒業後、道雄は新聞社に就職するが、茂は会社を1日で辞めてしまう。2人は定期的に投稿したり、上京してトキワ荘を訪れて手塚治虫や寺田ヒロオと邂逅したりする。2人は、やがてプロの漫画家になることを決意する。
原作は藤子不二雄Aによる自伝的作品で、満賀道雄が藤子A、才野茂が藤子・F・不二雄をモデルにしている。ストーリーは事実7割、脚色3割だそうで、手塚や寺田は実名で登場。ほかにも、さいとうたかをがモデルでは?と言われている漫画家もいる。
1986年に、NHKの銀河テレビ小説枠でドラマ化されていた。道雄が竹本孝之、茂が長江健次で、当時21~22歳のふたりは、社会との折り合いに悩みつつ、夢を追いかける青年の姿を好演している。
そしてこのドラマは、脇を固める俳優陣が超豪華だ。道雄の母を富士真奈美、道雄が勤める新聞社の上司や先輩に蟹江敬三、木原光知子、イッセー尾形、酒井敏也ら。社長で道雄の叔父に、久米明(つまり道雄はコネ入社)。東京の出版社の編集者はケーシー高峰、手塚治虫は江守徹だ。
道雄は社会人になっても学生服を着ていて、無理して大人になりたくないと言っていた。それが、ラストシーンではふたりともスーツを着ていて、大人への階段を踏み出したことを示していると思った。竹本が歌う主題歌『HOLD YOUR LAST CHANCE』は長渕剛のカヴァーで、歌詞がふたりにオーバーラップしていた。
今年4月に藤子不二雄Aが亡くなったのを受け、8月に再放送された。観たのはそれこそ1986年の本放送以来だが、今でも覚えている台詞が多かった。ドラマ版には上京以降を描いた続編『青春編』もあって、こちらの再放送も期待している。
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