ザ・フー(The Who)『Live From Toronto』
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最終更新日:2022/09/07
The Who ザ・フー, ビートルズ, ピート・タウンゼント, ロジャー・ダルトリー
フーの82年のツアー最終公演を収録したライヴDVDを観た。この公演を最後に、フーは解散している(その後不定期に再結成)。キース・ムーンが78年に亡くなったことが、バンドに大きな影響を与えていることが伺える。
ドラマーは元フェイセズのケニー・ジョーンズが務めていて、ダイナミックにして緻密だったキースとは異なる、リズムキープに徹したケニーのプレイは、サウンド面の印象を大きく変えている。また、他の3人のメンバーの見た目が、『The Kids Are Alright』の頃と大きく変わっているのにも驚かされる。ジョン・エントウィッスルは白髪になり、筋肉質だったはずのロジャー・ダルトリーは細身になり、ピート・タウンゼントはインテリ風になっていて、4~5年の間にメンバーが老けこんでしまったように見えた。
セットリスト的には、往年の代表曲を随所にちりばめつつ、『Face Dances』や『It's Hard』といったこの頃の最新作からも演奏されていて、今観ると逆に興味深い。『Boris The Spider』のほか、オーラスのビートルズ『Twist And Shout』はジョンがリードヴォーカルを取っている。オーディエンスのテンションは、異様なまでに高い。演奏の技術も、完成の域に達しているように見える。
がしかし、オーディエンスの熱狂ぶりとは裏腹に、どこか歯車が噛み合わず空回りしていて、終末感が漂ってしまっているように見えたのはワタシだけだろうか。まさに燃え尽きる寸前で、解散するべくして解散した、と言ってもいいライヴだったように見える。また蛇足だが、本編が終わりメンバーがいったんバックステージに引き上げたときにカメラも追いかけているのだが、そこに一瞬寿司職人が映っていてびっくりした。バンドやスタッフ用のケータリングだったのかな。
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