ラムシュタイン『RAMMSTEIN : PARIS』
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最終更新日:2022/08/31
Rammstein U2, パリ, フジロック, ローリング・ストーンズ
ドイツのインダストリアル・メタル・バンド、ラムシュタイン。本国をはじめヨーロッパでは絶大な人気を誇る一方、その過激なパフォーマンスは論争の的にもなっている。2012年のパリ公演は、劇場公開の後にDVD化されている。
会場は2万人規模の屋内競技場で、アリーナはオールスタンディングになっている。通常この規模であればスクリーンが設置され、アーティストのパフォーマンスを映像として発信するが、ここではそれがない。しかし、それがマイナス要因にはなっていない。
MCなし、長いギターソロやドラムソロなどもなし、ほぼノンストップで突っ走る。インダストリアル・メタルとは、メタルに電子音楽を融合させた音楽と思っているが、前半はゴリゴリのハードコア色が強く、後半になると若干だがポップでメロウで歌にシフトしている。
火炎放射やアリーナに向けて泡の放射など、演出もド派手だ(後者には、恐らく裏の意味合いもある)。中盤では、アリーナ中央に鉄橋をかけ、メンバーは歩いてセンターステージへ。ローリング・ストーンズやu2などでも観られるセットだが、彼らが演出だけに頼らず、音楽そのものでオーディエンスと向き合おうとする姿勢が伺える。
最後にメンバー6人が横一列に並び、深々と礼をするさまに、彼らの音楽やオーディエンスに対する誠実さが感じられる。押しも押されもしない、風格が漂っている。
個人的には1度だけ、2000年フジロックで観たことがある。そのときはまだアングラ感が漂っていたが、この映像を観ても彼らの軸はブレていないと思わせてくれる。最後の来日は、2005年だそうだ。日本と欧米との格差がありすぎるので、今後の来日は望みが薄いかもしれない。いや、ノットフェスやワープトツアーといった、ヘヴィーロック系のフェスだったら可能性あるかな。
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