デビルマン(アニメ版)
『デビルマン』は、永井豪原作のマンガ版とアニメ版が並行して制作されたと聞いている。しかし、設定もストーリーも、それぞれ独自の方向に向かっている。個人的に、アニメ版は恐らく再放送を観ていたと思うが、内容の記憶がほとんどなく、あるのはオープニングとエンディングのテーマ曲のみ(どちらも名曲)。そして今年、各話を観る機会に恵まれた。
原作では、不動明の意識が勇者アモンの体を乗っ取ってデーモンと戦う。対してアニメの方は、アモンが不動明の体も意識も乗っ取ったものの、牧村美樹を愛してしまったがためにデーモンを裏切って戦っている。デーモンは、「妖獣」と呼ばれている。
全39話で、基本的には当時のアニメの主流だった1話完結ものだ。しかし、中には複数話に渡って登場する妖獣もいる。明や美樹が通う学校に氷村という男が転校してきて、何かにつけて明と対立している。その正体は妖獣ヒムラーで、明の監視役だった。いざデビルマンと戦ったときには、あっさりとやられている。
シレーヌがデビルマンと戦っていたのは、記憶にあった。しかし、原作では後半に重要な役どころで登場したサイコジェニーが、いち妖獣として出てきてデビルマンと戦い割とあっさり敗れたのには驚いた。女性の妖獣も、結構頻繁に登場。そして、アニメ版には飛鳥了は登場しない。
あまたあるSFやロボットもの、ヒーローもののアニメや特撮には、主人公と共に戦う仲間がいたり、バックアップしてくれる存在がいたりする。『デビルマン』の原作でも、サタンとのアーマゲドンにはデビルマン軍団を結成して臨むし、飛鳥了も少なくとも途中までは明の協力者だった。しかしアニメ版のデビルマンは、ほんとうにほかに誰もいない、たったひとりだけで戦っている。
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