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ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 特別版(1973年/2005年)

公開日: : 西部劇

ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 特別版

1881年のニューメキシコ州の街。パット・ギャレットとアウトローのビリー・ザ・キッドは、かつて友人の間柄だった。保安官になっていたパットは、ビリーに街を出ていくよう警告。しかしビリーが無視したため、銃撃戦の末パットはビリーを逮捕する。

ビリーは牢屋から脱獄し、パットはビリーの追跡を命ぜられる。ビリーは古い知人のところを転々と訪れるが、老齢や銃撃戦などでみな亡くなってしまう。結局パットと対峙した街フォート・サムナーに戻るが、それを突き止めたパットは、保安官たちと共にビリーが滞在している家を包囲する。

ビリー・ザ・キッドは西部開拓時代に実在したアウトローで、この人を描いた映画はいくつか公開されている。本作は、ビリーの最期にスポットを当てているのが特徴だ。邦題は『ビリー・ザ・キッド 21才の生涯』となっているが、原題は『Pat Garrett and Billy the Kid』となっている。ストーリーは原題のイメージで、パットとビリーのダブルキャストの様相だ。

個人的には、ビリーよりもパットの方が感情移入しやすかった。本心ではビリーを逮捕したくはなく、国境を越えてメキシコにまで逃げてくれることを願う。しかし、保安官の立場上ビリーを追跡しなければならない。最後は、ほかの奴に殺されるくらいなら自分の手で、という決心をしたのかもしれない。

パットはジェームズ・コバーン、ビリーはクリス・クリストファーソン。ビリーを慕う青年エイリアスに、。そもそもこの作品を観ようと思ったのは、ディランが出演し、サントラも手掛けているからだった。現在でもライヴで演奏される『Knockin' On Heaven's Door(天国への扉)』をはじめ、劇中にディランが書いた曲が流れる。

クリス・クリストファーソンは、俳優であるだけでなくカントリーシンガーでもあり、ディランより年長者になる。ディランはカントリーに寄ったアルバムを作ったこともあり、この人の影響を少なからず受けていると思われる。劇中のディランは、いくつかセリフはあるもののあまり演技はしていない。が、クレジットは3番目になっていて、この人の存在の大きさが伺える。

終盤、ビリーが身を寄せる家にはビリーの恋人がいて、ふたりはベッドを共にする。この恋人を演じているのが、リタ・クーリッジ。リタとクリスはこの作品の公開年である1973年に結婚していて、プライベートと劇中の描写がシンクロしていることになる。

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