マーロン・ブランド 苦悩するカリスマ
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最終更新日:2022/06/30
ゴッドファーザー マーロン・ブランド, ロバート・デ・ニーロ, 松田優作
マーロン・ブランドの半生を綴ったドキュメンタリー映像が、以前WOWOWで放送されたことがあった。
アマチュア劇団の女優だった母の影響から俳優を志すようになり、ニューヨークに出て演技の勉強をする。ブロードウェイのミュージカルに出演するチャンスを得て、それが映画化にもつながり、頭角をあらわす。しかし映画界の慣習には倣うことなく、過激な言動と行動でトラブルを繰り返し、映画界からは浮いた存在になってしまう。恋人や家族とのトラブルもあり、あまり人前には出てこないようになる。
ワタシが知るマーロン・ブランドのイメージは、ほとんど『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』の2作に集約されてしまっている。しかしマーロン自身の経歴からすると、50年代に一度ピークを迎えるも60年代には低迷していて、そんな中起死回生を賭けて臨んだのが『ゴッドファーザー』だった、ということをこの作品を観て初めて知った。
松田優作の伝記本の中でも読んだことがあるのだが、ビトー・コルレオーネの役を決めるオーディションに、ブランドは一度落ちている。結局適任者がおらず再度オーディションをすることになり、どうしてもこの役が欲しかったブランドは、口の中に綿を含み腹部にも詰め物をして、マフィアのボスとしての風格を備えてオーディションに臨み、役を勝ち取った。
若き日のブランドはエルヴィス・プレスリーを思わせる美形の俳優だったが、それが後のロバート・デ・ニーロらにも影響を与えた怪演俳優へと変わっていった分岐点が、『ゴッドファーザー』だったのではと思わされる。
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