ブライアン・イーノ展「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」に行ってきた
新幹線で京都に向かい、ブライアン・イーノのインスタレーション展を観に行ってきた。
会場は京都駅から徒歩5分程度、東本願寺の手前にある京都中央信用金庫旧厚生センターというところ。3階建てで、当初3階からの順路を案内されたが、少し混み合っていたらしく、先に2階に入った。どの展示にも、イーノによるアンビエントミュージックが流れていた。
2階
発光する3点のキューブが、時間の経過と共に少しずつ色を変化させていく。ただ、ちょっと目を離すと全く異なる色に変貌していて、時には蛍光色など結構強めの色になっていることもある。
館内で唯一飲食可能なスペース。雑記帳が置かれていて、来場者がイーノへのメッセージを記載していた。展示終了後、イーノ本人に届けられるそうだ。
3階
本展示の目玉。靴を脱いで入室し、照明を落とした暗がりの中を、2016年作『The Ship』の曲が流れる。縦長やボックス型のスピーカーが室内の角や壁に設置され、来場者が腰かける位置によって聴こえ方が微妙に変わっていた。同アルバムはイーノ久々のヴォーカル入りだが、ことばによるメッセージを伝えるというよりは電子音との同化を目指していると思い、そこに空間的な解釈を加えた展示なのだと思う。
3人の顔をアップで横並びにし、時間の経過と共に少しずつ変化して、別の人の顔になっていく。DVD『Thursday Afternoon』で、女性の映像が変化していくさまを思い出した。入場時にもらった小冊子の解説によると、世界初公開の展示で、21人の実在する人物をもとに変化させ、実在しない人物の表情も作っているそうだ。
1階
高い天井のスペースで、来場者はソファーに腰掛けてリラックスしながら映像を観る。小さな複数の模様が組み合わさったひし形の映像は、時間の経過と共に変化していく。映像の左手前におがくずの小さな山があって、ひし像の中心部の色彩と同期していた。
最近再発されたアルバムのほか、この展示独自のTシャツ、トートバッグ(品切れ中)、オブリスク・ストレテジーズなどが販売。ワタシは、図録と和菓子を購入。展示のカラーが反映された和菓子は、Twitterでは連日完売が通知されていたものだ。
2階3階の通路には、イーノの世界観に掛けた盆栽が展示されていた。
展示物に対する写真や動画の撮影はOKだったが、シャッター音は出さないようにというお達しがされていた。ワタシのスマートフォンは消音機能がなく、最初はスピーカー部を指で押さえて撮影したが、どうしても音は漏れてしまった。なので、その場で無音化のアプリをインストールした。
チケットは日時指定で、平日のいちばん早い回で行ったが、来場者は結構いた。女性も多かった。ブライアン・イーノのファン、今までどこに隠れていたのか(嬉しいけど)。
展示物は物量的に豊富とは言い難いが、イーノの世界観の一端を垣間見るには申し分のない内容だったと思う。コロナ禍以降去年のフジロック以外では久々の遠出になったので、個人的には満足している。SNSにしろマスメディアにしろ、ブライアン・イーノの露出が多いことに驚き、そして嬉しく思っている。
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