『イーノ入門──音楽を変革した非音楽家の頭脳』を読んだ
京都で開催されるブライアン・イーノのインスタレーション展「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」にリンクするように、『イーノ入門』という書籍が出版された。
イーノのアルバムをほぼ時系列順に紹介する構成で、個人的には取っつきやすかったし、読みやすかった。作品自体の解説はもとより、その時期のイーノ自身の状況も補足されていた。
ロキシー・ミュージック脱退後最初にリリースしたアルバムは、正確にはロバート・フリップとのコラボレーション『No Pussyfooting』だが、ここではソロ1作目『Here Comes The Warm Jets』 から始めていて、それは正しいと思う。
アルバム解説の合間には、コラムが頻繁に掲載されている。ロバート・ワイアットやジョン・ケイル、デヴィッド・ボウイ、デヴィッド・バーン、ジョン・ハッセルらコラボレーター。u2やコールドプレイ、ディーヴォ、『No New York』などのプロデュース活動。など、イーノの活動が多種多彩に渡っていることを改めて認識させられる。
女性アーティストとのコラボが少ないという指摘は、興味深い。一方で、インスタレーション展を不定期に実施しているにもかかわらず、映像をテーマにしたコラムが2ページに留まっていたのは残念だった。
ほとんどのイーノのアルバムは所有しているつもりでいたが、痛い見落としをしていたことに気づかされた。2014年に90年代のアルバムが再発されていて、そのニュースは目にしたことはあったが、リマスターくらいだろうと思いスルーしていた。しかし、『Nerve Net』にはお蔵入りになった『My Squchty Life』の音源がまるまる収録されたと、今更知った。現在はフィジカル盤の入手は困難だが、iTunesでは入手可能のようだ。
タイトルが『イーノ入門』とあるが、入門でこれだけの濃密な内容だと、ワタシはまだまだだなと思わされる。
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