息子の部屋(2001年)
イタリア映画で、2001年カンヌ映画祭のパルムドール賞を受賞した作品『息子の部屋』を観た(日本公開は2002年)。
精神分析医のジョヴァンニは息子アンドレアとジョギングに行く約束をするが、急に往診に行くことになって約束を先延ばしにしてしまった。その日アンドレアは友人と海に潜ったが、事故で亡くなってしまう。ジョヴァンニは往診に行ったことを悔いて分析医の仕事もままならなくなり、友人の分析医に相談に行ったり、妻パオラとの関係もぎこちなくなったりする。
そんなある日、アンドレア宛にガールフレンドのアリアンナから手紙が届く。パオラは彼女にアンドレアが亡くなったことを伝え、彼女はヒッチハイクしながらこの家族に会いに来たと話す。彼女とことばを交わし、次のヒッチハイク先まで送るという奇妙な旅をすることになり、家族の間には途絶えかかっていた絆がよみがえってくる。
この作品は、公開当時に劇場で観た。評判がよかったことなどもあるが、決定打となったのはTVCMだ。映画のシーンのバックに流れるは、なななななんとブライアン・イーノの『By This River』。イーノ77年のアルバム『Before And After Science』に収録されていて、この時期コラボレートもしていたクラスターも制作に参加している。
この曲は、劇中でも2度流れる。ひとつは、ラストで家族が絆を取り戻すシーン。もうひとつはそれより少し前のシーンで、音楽に疎いジョヴァンニがアンドレアへのプレゼント用にとCDショップに行き、店長が見繕って選んでかけたのがこの曲。しかしなあ、こりゃ息子へのプレゼントというよりは、監督自身の趣味なんじゃないのか?と思ったら、ジョヴァンニを演じている人が映画の監督及び脚本を務めていることを、観終わった後に知った。
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