Cocco『生配信ライブ2020 みなみのしまのそらのいろ』をDVDで観た
coccoが2021年にリリースしたアルバム『クチナシ』の初回限定盤に、2020年8月に敢行された生配信ライヴがDVDとして同梱されている。当時ネットでオンタイムで観たが、改めてDVDで観た。
バンドは、ドラム椎野、ギター堀越、ベース根岸という、シンプルな編成。会場は、ライヴハウスと思われる。当時の新譜『スターシャンク』のトップでもある『花爛』でスタート。各メンバーのプレイを捉えるべく、カメラのスイッチングが目まぐるしい。
DVDで観て、気づいたことがある。『2.24』では『三村エレジー』の、後半の『願い叶えば』では『Rose letter』の一節が、それぞれ組み込まれていた。嬉しい試みだが、なぜ生配信のときに気づけなかったのだろう。
2020年8月というとコロナ禍真っ直中で、まだワクチンの開発もなく、エンターテイメントは軒並み中止や延期を強いられていた時期だった。そんな中でCoccoが元気な姿を見せてくれたことに、興奮しまくっていたのかもしれない。
もうひとつ、ライヴから時間が経過したことで浮かび上がってきたことがある。このライヴの後、『クチナシ』『プロム』と2枚のアルバムがリリースされているが、現在でもアルバム未収録でこのライヴにしか記録されていない曲があることだ。ライヴの時点では、『take me home』『Hush-bye-the-world』『7th floor』『Rockstar』の4曲が未発表だった(前2曲はYoutubeでデモが披露)。
『Rockstar』は『クチナシ』に収録されたが、ほか3曲は今もってこの映像の中でしか堪能できない。狙ったのではなく結果的にそうなっただけかもしれないが、このライヴが一層貴重に思えてきた。ライヴのラストはその『Rockstar』で、ラウドでアッパーな曲調は初期の作風を思い起こさせる。
DVDには収録されていないが、生配信のときはライヴの前にCoccoから短いコメントがあり、そこで彼女は自らを「ダークサイドクイーン」と称していた。そのときはなんのこっちゃと思っていたのだが、今年彼女が出演したテレビ番組をいくつか観て、黒基調のドレスやヴェールで顔を隠して歌っていて、実はこのときからつながっていたのだと気づいた。
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