TESTSET@BETA Q(中野サンプラザ)
高橋幸宏の療養や小山田圭吾の騒動などもあり、フルメンバー6人での活動がストップしたmetafive。フジロックのときは、LEO今井とまりんこと砂原良徳に、GREAT3の白根賢一がドラム、相対性理論の永井聖一がギターとして加わってステージをこなした。そして今年、この4人でバンド名を「TESTSET」として始動。この日は、「BETA Q」というイベントとしてライヴを行った。
定刻を5分ほど過ぎたところで客電が落ち、4人が登場。バックドロップには「BETA Q」のロゴが掲示されていたが、開始と同時にスクリーンが降り、映像が流れる。オープニングは『Full Metallisch』で、バックの映像に表示されるロゴは「TESTSET」になっていた。
ステージには、縦棒型電飾9本、正方形のパネルがセットされた縦棒型電飾4本がセッティング。曲と演奏にシンクロして、赤く閃光したり点滅したり。後方の正方形パネルは緑色に閃光し、時には客席に向けて光線を発していた。
4人はほぼ横一列に並び、向かって左から右に永井、LEO今井、まりん、白根というポジショニング。全員、カーキ色のシャツ姿だ。フジロックのときは、コロナ禍やバンドの状態などもあり苦しい状況で、張り詰めたような空気感があった。しかし今回はそんな背景も雑音もなく、通常のライヴとして成り立っていて、メンバーも力まずにやれているように見える。
永井はギターを低い位置で構え、ボディを右太股に乗せて弾いていた。数回ソロプレイもあったが、自らが前面にぐいぐい出ることはなかった。ドラムの白根は、稲妻のように鋭いビートを刻むこともあったが、基本的にはリズムキープに徹していた。そして、2人ともコーラスを担っていた。
まりんのプレイは、見ていて飽きることがない。2台の卓を使い分け、恐らく1台がキーボード、もう1台がiBookに接続したプログラミング器材だったと思う。ほとんどの曲のイントロはまりんによって始まり、主にベースのビートを担いつつ、トランペットのSEや電子音などを発していた。白根は、時折まりんのプレイに併せて叩いているようにも見えた。
まりんがサウンド面の中核なら、ヴォーカルのLEO今井はバンドの牽引役だ。太く力強い声は、デジタル音の洪水にかき消されることなく融合している。曲によってはギターやキーボードもこなし、時折永井やまりんのところに寄り添うなどフットワークも軽い。ほぼ1曲毎に、短く「thank you」と言っていた。
ライヴが後半に差し掛かろうかというとき、今井が「ここで、ここで、1曲だけ”KIMONOTEST”を」と言った。程なくして、向井秀徳登場。今井と向井はKIMONOSというユニットを組んでいたことがあって、密かに期待する一方、共演はないかなとも思っていた。もちろん嬉しいハプニングで、そして演奏されたのもKIMONOSの『No Modern Animal』だった。
『Don't Move』は、やはりアガる。TESTSET でもMETAFIVEでも、アッパーでノレる曲はほとんどないので、いいアクセントになっていると思う。こうして、ライヴは約1時間で終了。TESTSETでも、アルバム作ってリリースしてくれないかな。
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