キング・クリムゾン(King Crimson)『The Elements : Tour Box 2021』
キング・クリムゾンは、現ラインナップになった2014年から、「ツアーボックスシリーズ」というコンピレーションを毎年リリースしている。今年は夏からツアーを再開していて、それにリンクさせたツアーボックスが早くもリリース。2枚組、プラス日本盤のみボーナスディスクが付与されている。
内容は、どちらかというとマニア向けになっている。2017年から2019年の公演の音源を軸にしつつ、60年代から90年代にリリースされた音源、またリハーサル、ドラム&ベースのみ、ピアノバージョン、など、デモテイクも併せて収録されている。クリムゾンは完成形だけをリスナーに提示するイメージがあったので、曲ができあがる過程、ステージに臨むまでの過程を垣間見ることができるのは、とても貴重だ。
それにしても、ディスク1冒頭が『21st Century Schizoid Man』、ディスク2ラストが『Starless』という配置。68年から74年までの、クリムゾンの活動の最初と最後をリンクさせたように思える。
日本盤ボーナスディスクは7曲入りで、2018年来日公演のうち、7箇所からセレクトされている。個人的には東京公演に1回足を運んでいたので、そのときの興奮がよみがえってくる。嬉しい配慮だ。
ブックレットには、クリムゾン歴代ドラマーについての考察があり、現ドラマーのひとりであるパット・マステロットをクローズアップしているのが興味深い。そして何よりも、ロバート・フリップが今年5月にツアーを再開できる喜びを爆発させたコメントが感動的だ。ワタシは、来日公演初日となる明日の国際フォーラムに行く予定だ。
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