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細野晴臣ドキュメンタリー『SAYONARA AMERICA』を観た

公開日: : 最終更新日:2021/11/21 細野晴臣

SAYONARA AMERICA

が2019年にアメリカで公演を行い、その模様がドキュメンタリー映画として公開された。5月末にはニューヨークで、6月にはロサンゼルスで、公演をおこなっていた。

ニューヨークもロスも、開場を待つ長蛇の列ができていて、チケットは完売。どちらも、キャパシティはライヴハウスくらい。ロスの方が2階席があるシアター型で、少し広めに見えた。映像は、ロス公演をベースにしていた。

細野は演奏の合間に、時折日本語になりつつも、基本的には英語でMCをした。観客には、日本人もいたことはいたが、ほとんどが現地の人。若い人もいて、どうやって細野の音楽を知ったのだろうと、不思議な気持ちになった。

ロスにはじめて来たのは1972年で、はっぴいえんどのアルバムのレコーディングのためであること、そのスタジオに前日に行ってきたこと、当時協力してもらったヴァン・ダイク・パークスへの感謝の気持ち、などを語っていた。パークスはこの公演にも来ていて、バックステージで2人が会話する場面があった。

バンドは、ドラム、ベース、キーボード、ギターの編成で、恐らくこの年はこのメンバーで活動していたと思われる。個人的に、同年11月の国際フォーラム公演に足を運んでいて、編成もセットリストも、ほぼ同じだったと思う。ただ、ロス公演ではかなり大きいサイズのミラーボールが導入されていた。

合間には、今年収録した映像も挿入されていた。8月に、ビルの屋上でアコギを弾きながらコロナ禍に見舞われた状況を嘆き、2年前のアメリカ公演がかなり前のことのように思えてしまうと語っていた。自身のレーベルの事務所?にバンドメンバーが訪れていて、彼らも同じことを語っていた。

日本人アーティストが海外で公演を行う場合、インストならことばの壁はないが、日本語歌詞となるとライヴは成立するのか、それ以前に集客できるのかと、勝手に不安に思っていた。がしかし、細野の場合はアメリカン・ルーツ・ジックを文字通りルーツにし、今でもその要素を失わずに表現していることが、いい方に作用している。それと同時に、アメリカは音楽のジャンルが多彩で、リスナーの趣向も幅広いという土壌があるのではと感じた。

エンドロールに流れるは、タイトルにもなっている『SAYONARA AMERICA』。もともとははっぴいえんどの曲だが、ここでは別アレンジの細野バージョンだった。タイトルこそ「SAYONARA」になってはいるが、細野は再びアメリカでライヴをやりたいと思っているはずだし、会場に足を運んだアメリカの人たちも同じにちがいない。

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