『パブリック・イメージ・イズ・ロットン』を観た
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最終更新日:2021/11/02
Public Image Limited(PiL) サーストン・ムーア, ジョン・ライドン, セックス・ピストルズ, パール・ジャム, ポール・マッカートニー, レッチリ
パブリック・イメージ・リミテッド(P.i.L.)のドキュメンタリー映画を観た。1977年のセックス・ピストルズ解散を経て、ジョニー・ロットンが本名のジョン・ライドンとしてバンドを結成するところからスタート。以降、時系列でバンドの歩みが綴られる。
バンド活動は、とにかく荒れてばかりだった。ピストルズ時代にはマネージャーのマルコム・マクラーレンに搾取されたが、P.i.L.でも金銭的に窮し、メンバーチェンジを繰り返し、と、この2点がライドンを苦しめた。特に初期作品は音楽的にも、バンドのスタンスとしても革新的だっただけに、裏側を知るにつけ残念な思いがした。
脱退した歴代メンバーは、ほとんどがこの映像のためにコメントを寄せていた。ジャー・ウォブル、キース・レヴィン、初代ドラマーのジム・ウォーカー、マーティン・アトキンスらだ。
83年の来日公演はバンドには破格のギャラが提示されたが、契約に「薬物等で公演に損失が発生した場合はアーティスト側が補填する」という条項があったとのこと。このため、キースは来日前に脱退。これは、80年のポール・マッカートニー来日時に大麻が見つかり中止になって以降できた条項だそうだ。
ジョンは、恐らく自宅にてインタビューに応じていた。7歳のときに髄膜炎で手術を受け、しばらくは記憶が欠落してしまったとのこと。ステージ上で頻繁に唾を吐くのは、現在にまで至る後遺症とのことだ。脱退したメンバーについてはその技量を認めていて、彼らを責める発言がなかったのが印象的だった。
メンバー以外では、音楽評論家やジョンの友人、マネージャー、サーストン・ムーア、ビースティ・ボーイズのアドロック、レッチリのフリーなどが、コメントを寄せている。特にフリーは、ベーシストのオーディションを受けて合格していたとのこと。迷ってヒレル・スロヴァクに相談した末、加入を断ったとのこと。マーティン・アトキンスは、レッチリと天秤にかけやがってとグチっていた。
92年の活動休止後、2010年の再開までは結構あっさり。97年のソロ名義でのライヴがちらっと流れた後は、タレントとしてテレビ番組やCMに出演したときの映像が流れた。96年と2008年には再結成ピストルズとして活動しているが、ここではスルー。
2010年のP.i.L.再始動では、ブルース・スミスとルー・エドモンズに声をかけたほか、スコット・ファーズをベーシストとして迎え入れた。以降こんにちに至るわけだが、メンバーチェンジもなく安定しているのは周知の通り。再結成初回のライヴのときは、バックステージにフガジのイアン・マッケイやパール・ジャムのエディ・ヴェダーらがいたそうだ。
初出の映像は多かったが、観たことのあるものも結構あった。ロックパラストや83年日本公演、2011年サマーソニックなど。日本の映像が公式に採用されて世界に発信されているかと思うと、とても誇らしい。
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