パブリック・イメージ・リミテッド(P.i.L)『Public Image Is Rotten (Box)』
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最終更新日:2021/11/01
Public Image Limited(PiL) U2, ジョン・ライドン, スマパン, レディオヘッド
同名のドキュメンタリー映画が日本でも公開されたが、ココで取り扱うのは2018年にリリースされたボックスだ。CD5枚にDVD2枚というとてつもないヴォリュームで、バンドのキャリアを総括したアンソロジーと言えよう。
ディスク1はシングル集、ディスク2はカップリング集やBBCセッション音源、ディスク3は12インチミックス集、ディスク4は未発表音源集だ。ディスク5が1989年ニューヨークでのライヴ音源になり、時期的には『9』リリース後に該当する。ラストが『World Distruction』というのが興味深く、原曲はアフリカ・バンバータにジョン・ライドンが少しだけ客演している編成なのだが、ここではアップテンポのアレンジにしてジョンがすべてを歌い上げている。
DVDは更に貴重だ。DVD1は、『Public Image』に始まり21世紀の再結成後までをフォローする、歴代のPV集。そして、1988年のエストニアでの野外フェスを収録している。エストニアと言いつつ、88年当時はソ連の一部であり、この翌年のベルリンの壁崩壊やソ連民主化といった波の先駆けと見ることもできる。このときはツインギターだが、現メンバーでもあるルー・エドモンズはセカンドギタリストで、リードはジョン・マッギオークという人。2004年に40代で亡くなっているが、u2のジ・エッジやレディオヘッドのジョニーとエド、スマパンのビリー・コーガンなどがリスペクトしているとのことだ。
DVD2は、BBCでのパフォーマンス、および2013年4月のシドニーでのライヴを収録。特に後者は、時系列的に来日公演の直後にあたり、Shibuya-AXに行った身としては追体験をしている感覚になる。P.i.L.は、この前年に実に20年ぶりとなるオリジナルアルバム『This Is P.i.L.』をリリース。グラストンベリーフェスへの出演も決まっていて、バンドが懐古ではなく現在進行形であることを知らしめた年だった。クライマックスの『Rise』『Open Up』が、映像として記録されているのは、嬉しいところだ。
余談だが、DVD2は盤面にもそのように刻印されているにも関わらず、再生してみるとDVD1と全く同じ内容だった。販売元のメーカーもプレスミスを認め、交換に応じていた。先に着払いでDVD2を送付し、折り返しで正規のDVD2が送られてきた。最初に再生したときには焦ったが、交換の対応が早かったことに感謝している。
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